建長寺三門

鎌倉の大本山にそびえる三門は、近づくほど高さが効いて“圧”が出る楼門。朝の参道は人が少なく、杉並木の縦線が門へ視線を運ぶ。逆光で輪郭が締まり、香煙が漂う日は空気まで写る。広角は見上げで柱の反復と屋根の反りを強調、望遠は扁額や彫刻、木目の傷を切り取ると渋い。雨の日は黒く濡れた木部と石畳が最高で、秋は紅葉が額縁に。24mm前後で見上げれば柱の反復が強く、70mm以上で扁額を切ると格調が出ます。人を小さく入れるとスケール感が一発、夕方の青い時間は提灯の光がしっとり映えます。混雑日は低速で人波を流し、門だけを浮かせると“静けさ”が戻ります。