総持寺(横浜市鶴見区鶴見)

曹洞宗大本山・總持寺は鶴見の丘に広がる巨大伽藍。重層の三門を抜けると、千畳敷とも呼ばれる大祖堂や総欅造りの佛殿が並び、軒の反復と屋根の曲線だけで画が決まる。参道の一直線は広角で気持ちよく、百間廊下や回廊は望遠で圧縮すると密度が上がる。春は桜、初夏は深い緑、雨上がりは黒く濡れた石畳が反射して渋い。複数の堂宇が国の登録有形文化財で、水平垂直を意識した端正な構図が似合う。朝は人が少なく、夕方の斜光は木目と彫りを浮かせてくれる。境内の木立越しに伽藍を覗くと奥行きが増し、夜は門前の灯りで玉ボケも狙える。おすすめ。