井原西鶴像

井原西鶴像は、銅像の造形と都会の背景が同居し、文学の空気を“街スナップ”に落とし込める被写体。ローアングルで空に抜けば凛としたシルエットになり、標準〜中望遠で表情、衣の皺、緑青の粒を切り取ると一気に作品寄り。薄曇りは金属の階調が滑らかで、雨上がりは水滴と艶が増して最高。夕方の青い時間は街灯の暖色が肌に乗り、背景のネオンを玉ボケにできる。春の桜や秋の黄葉が入る時期は色が添えられる。周囲が雑多なら望遠で圧縮して背景を整理し、歩く人を小さく入れて“今の大阪”と重ねるのも面白い。モノクロでも線と量感が強い。