千人塚

千人塚は、供養や慰霊の伝承を抱えた塚と石碑が静かに残り、派手さより“空気の重さ”で撮る場所。広角で参道や斜面のラインを入れて奥行きを作り、望遠で刻字の陰影、苔、欠け、供花の名残を丁寧に拾うと物語が濃くなります。曇天や小雨はトーンが揃い、雨上がりは石が黒く締まって質感が倍増。秋は落ち葉が前景を整え、冬は霜や薄雪が余計な情報を消してミニマルに。人物を入れるなら背中を小さく、静けさを壊さない距離感で。夕方の斜光で影が伸びる時間は、塚の起伏が読みやすくモノクロも映えます。近くの里山や田畑を一枚挟むと、土地の記憶がより具体的に立ち上がります。