奈良公園のアセビ

奈良公園のアセビは、早春に白い鈴形の花が房になって揺れ、背景の常緑樹と鹿の気配が“奈良らしさ”を作ります。逆光で花を透かすと繊細な輪郭が光り、望遠で花房だけを抜けば柔らかなボケで上品に。広角で地面近くから狙い、奥に鹿や石灯籠、古寺の屋根を小さく入れると物語が生まれます。花期は短いので、曇天の安定した光で白飛びを抑え、花の階調と新芽の色を丁寧に残したい被写体です。風がある日はシャッター速度を上げ、静かな日は水面の映り込みも探してみてください。夕方は人が減り、鹿のシルエットと花を重ねやすい時間帯です。現像は彩度控えめが似合います。