海龍王寺のユキヤナギ

海龍王寺のユキヤナギは、小さな尼寺の境内を白い瀑布のように覆う春の主役で、苔むした石や白壁と組み合わせると、古都らしいやわらかな情景が生まれます。枝の流れに沿って横位置で構図を組むと、白いラインが画面を走る軽やかな一枚に。背景を暗めに選び、露出をわずかにオーバー気味にすると、花のふんわり感が引き立ちます。本堂の瓦屋根や塀を背景に少し絞り込んで撮ると、白い小花と古い建築の線がほどよく同居し、奈良らしい静けさの中に春の光だけがふんわり差し込むような一枚になります。参拝客の後ろ姿も良いアクセントです。