泉屋

泉屋は、町家の座敷と中庭、苔と石組が端正に調和する和の空間。春は新緑、梅雨は苔の深緑、秋は紅葉が水鉢を染め、冬は淡雪が意匠を柔らかく縁取る。縁側から柱や鴨居を額縁に低い目線で構え、PLで反射を抑えると階調が締まる。灯籠や蹲は中望遠で丁寧に、無風の朝は対称構図が端正に決まる。畳の縁や障子の桟を細く入れれば線が整い、静謐が画面に宿る。薄曇りは反射が落ち着き最良。飛び石を対角に配し、手前の苔を前ボケに添えると奥行きが増す。露出はわずかにアンダー寄りで白飛びを防ぎ、彩度は控えめに。参観の流れを妨げない位置に三脚を据え、静かに光を待ちたい。