
【2025年最新】ニコンフルサイズカメラのおすすめ 用途別に解説






フルサイズ機の導入を考えるとき、ニコンのフルサイズカメラだけでも種類が多すぎて決められないと悩む人は少なくありません。最近はZ5 IIやZ6III、Zf、Z8といった新世代ミラーレスが一気に充実し、エントリーからプロまで選択肢が本当に広がっています。この記事では、予算や用途からの選び方を整理したうえで、ニコン フルサイズの代表モデルを一台ずつ取り上げ、実際の使用イメージが湧くように解説していきます。
この記事のサマリー

ニコン フルサイズは「予算」「用途」「レンズ計画」の3軸で絞ると迷いにくくなります。

最新のミラーレスではZ5 IIとZ6IIIが軸になり、Zf・Z8・Z9が個性とプロ性能を担います。

Z5 IIはエントリー価格帯ながらAF・連写・IBISが強化され、2025年を代表するフルサイズ機の一つと評価されています。

Z8/Z9は45.7MP積層センサーとEXPEED 7を共有し、スポーツから動画制作までプロワークを支える存在です。

D850・D780といった一眼レフも、光学ファインダー重視派にはいまなお実戦級の選択肢です。
ニコンのフルサイズカメラを選ぶ前に押さえたい3つの軸

最初に機種ごとの細かいスペックを追い始めると、情報量の多さに圧倒されてしまいます。ニコン フルサイズを気持ちよく選ぶには、「予算」「撮影スタイル」「レンズを含めたシステム」の3つを先に決めておくと整理しやすくなります。ここで方向性を固めておくと、後半で紹介する具体的なボディもスムーズに絞り込めるはずです。
予算とトータルコストをイメージする
ボディ価格だけを見て決めてしまうと、レンズやアクセサリーを足したら想定以上の金額になっていたというケースが本当によくあります。ニコンのフルサイズカメラはエントリーのZ5 IIからフラッグシップのZ9まで価格差が大きく、ボディのみで検討すると判断を誤りがちです。
目安としては「ボディ6:レンズ4」くらいの配分でトータル予算を考えておくと、バランスの良い組み合わせになりやすくなります。例えば総額25万円なら、Z5 IIと標準ズーム+単焦点の組み合わせ、40〜50万円をかけられるならZ6IIIやZfに大三元ズームの一部を合わせるイメージです。三脚や予備バッテリー、ストロボなどをこれから買い足す場合は、周辺機材だけで数万円は見込んでおきたいところです。
撮影スタイルから必要な性能を洗い出す
同じニコンのフルサイズでも、家族スナップ中心か、風景作品か、スポーツ撮影かで必要な性能はかなり変わってきます。日常スナップや旅行が主なら、そこそこの連写性能と高感度耐性があれば十分で、機動力や軽さの方が重要になるでしょう。逆にスポーツや野鳥撮影がメインなら、AF追従性能と秒間コマ速、バッファ容量を重視したいところです。
動画を本格的に撮る予定があるなら、6Kや8K記録・長時間記録・ログ撮影への対応もチェックしておきたいポイントです。Z6IIIやZ8のように、6K/8K記録や120pスローモーションに対応した機種は、将来的な映像制作にも余裕を持って臨めます。
レンズ・アクセサリーを含めたシステム視点
ニコンフルサイズはZマウントミラーレスとFマウント一眼レフの2系統が存在し、どちらも豊富なレンズが揃っています。ZマウントはZ 24-120mm F4やZ 28-75mm F2.8など、軽量ズームから大三元まで純正レンズのラインナップが充実してきており、サードパーティ製も徐々に増えている状況です。
一方でFマウントは既に完成されたレンズ資産が膨大にあり、中古市場も含めればコスパの良い選択肢が非常に多いのが強みです。ZボディにFTZアダプターを介してFレンズを使う運用も現実的で、徐々にZレンズに切り替えていく移行プランも組めます。将来どこまでシステムを拡張したいのか、ボディ選びと同じタイミングでざっくり考えておきましょう。
用途別に見るニコンフルサイズ機のおすすめ方向性
同じニコン フルサイズでも、最適な一台は何をどれくらい真剣に撮るかで変わります。ここでは、よくある撮影ニーズをいくつかのパターンに分けて、どのラインのボディがフィットしやすいかを整理します。後半の機種紹介を読む前に、自分がどのグループに近いかをイメージしておくと、候補が一気に絞り込めるはずです。
用途(撮りたいジャンル) | 本命候補 | 次点・予算重視候補 | 相性の良いレンズ例 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
家族・旅行・日常スナップ | Z5 II / Z6III | Z5 / Z6II | 24-120mm F4 / 24-70mm F4 / 40mm F2 | 「軽さ・価格」ならZ5 II、「静止画+動画の万能性」ならZ6III |
風景・作品撮り(高画素) | Z8 | Z7II / D850 | 14-30mm F4 / 24-120mm F4 | 大判プリントや強トリミング前提なら45.7MP級が有利。Z8は扱いやすい高画素 |
ポートレート・スナップ作品 | Zf / Z6III | Z6II | 50mm F1.8 / 85mm F1.8 / 40mm F2 | 「撮影体験」重視ならZf、「総合力とAF」ならZ6III |
スポーツ・野鳥(動体撮影) | Z9 / Z8 | Z6III(DXクロップ併用) | 100-400mm / 180-600mm | 最速を求めるならZ9、機動力はZ8。Z6IIIはDX運用で焦点距離を稼げる |
動画制作・Vlog・配信 | Z6III / Z8 | Z5 II / Zf | 24-70mm F2.8 / 24-120mm F4 | コスパ動画ならZ5 II、雰囲気重視はZf。本格制作はZ6III or Z8 |
低予算で“まずフルサイズ” | Z5 II / Z5 | Z6II(中古) | 24-50mm / 40mm F2 | 初期費用を抑えても画質は十分。Z6II中古は性能バランスが極めて良い |
一眼レフで撮影したい(OVF派) | D850 | D780 / D750(中古) | 24-120mm F4 / 50mm F1.8 | 作品撮りはD850、実用重視はD780。コスパならD750 |
家族・旅行・日常スナップに合う組み合わせ
家族写真や旅行スナップが中心なら、第一候補はZ5 IIかZ6IIIが筆頭です。Z5 IIは約24.5MPのフルサイズBSIセンサーとEXPEED 7プロセッサーを搭載しつつ、価格を抑えたエントリー向けフルサイズで、「フルサイズデビューなのに画質もAFも妥協したくない」というニーズに適した一台です。
Z6IIIはより高速なAFと連写性能、強力な動画機能を備えた万能機で、静止画と動画をバランス良く楽しみたいユーザーに向きます。ボディはやや大きめですが、Z 24-120mm F4など一本で幅広い画角をカバーできるズームと組み合わせれば、旅先でのレンズ交換回数も減らせます。軽さを最優先するならZ5 II+コンパクトな単焦点という選択も現実的です。
風景・作品撮り・ポートレート重視の選び方
作品として残す風景やポートレートが中心なら、高画素機か階調表現に強い中級機が候補になります。45.7MPのZ8やD850は、大きなプリントやトリミングを前提とした撮影でも余裕のある解像度を持ち、ダイナミックレンジの広さも高く評価されています。
一方で24MPクラス(実際は約24.5MP)のZ6IIIやZfも、ノイズ耐性と扱いやすいデータサイズが魅力です。特にZfは強力なボディ内手ブレ補正と味のある描写で、スナップ的な作品撮りやモノクロ表現にも向いています。じっくり三脚を立てる撮影が多いか、手持ちで軽快に撮り歩くかで、候補を変えていくと良いでしょう。
スポーツ・野鳥・動画メインで考える
スポーツや野鳥など動体撮影がメインなら、高速連写と追従AFを備えたZ8かZ9が本命です。両機とも45.7MP積層センサーとEXPEED 7を採用し、最大20fpsのRAW連写や120fpsのJPEG連写など、プロ用途にも耐える連写性能を持っています。
動画メインであれば、6K/8K記録や豊富なLog・RAW記録に対応したZ6IIIやZ8が現実的な選択肢になります。特にZ6IIIは6K 60p、4K 120pといったスペックを備えつつボディサイズも抑えられており、「一人で撮影から編集までこなすクリエイター」の相棒としてバランスが良いでしょう。
ニコン フルサイズ機のおすすめ早見表
おすすめモデル | 一言まとめ |
|---|---|
Z5II | フルサイズ入門の決定版として、写真も動画も「今どき」に寄せたい人向け |
Z6III | 静止画・動画の両立を狙う人の主力。機動力と性能のバランス型 |
Zf | 撮影体験(ダイヤル操作・デザイン)を重視しつつ、最新AFも欲しい人向け |
Z8 | 高画素と制作系(スチル/動画)を1台でまとめたいハイアマ・プロ寄り |
Z9 | 動体・現場主義で、連写/耐久性/運用の安定感を最優先したい人向け |
D850 | 光学ファインダーで高画素を撮り切りたい「作品撮り」志向の一眼レフ派向け |
D780 | 一眼レフの撮影感を残しつつ、ライブビュー/動画も現実的に使いたい人向け |
Nikon Z5 II:はじめてのニコン フルサイズに最適

2025年に登場したZ5 IIは、エントリー向けフルサイズの常識を良い意味で更新したモデルです。約24.5MPのBSIセンサーとEXPEED 7を採用しつつ、価格は入門〜中級クラスに抑えられており、「最初のニコン フルサイズ」として扱いやすい一台に仕上がっています。
項目 | 内容 |
|---|---|
製品名 | Nikon Z5II |
発売日 | 2025年4月25日 |
センサーサイズ | 35.9×23.9mm(フルサイズ/FX) |
有効画素数 | 24.5MP |
ISO感度 | ISO 100–64000(拡張:50相当〜204800相当) |
シャッタースピード | 最速 1/8000秒(Bulb/Time 対応) |
本体重量(バッテリー込み) | 約700g |
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Z5 IIのスペック概要と進化点
Z5 IIは約24.5MPのフルサイズBSIセンサーにEXPEED 7プロセッサーを組み合わせ、メカシャッター使用時は最大約14コマ/秒(JPEG時)・約11コマ/秒(RAW時)、電子シャッター使用時は最大約30コマ/秒(JPEG時)・約15コマ/秒(RAW時)の連写に対応します。AFは被写体検出付きの3Dトラッキングを採用し、人・動物・乗り物など9種類の被写体を自動認識して追従できます。
さらにボディ内5軸手ブレ補正に対応し、静止画だけでなく動画撮影時にも手ブレを抑えやすくなっています。4K動画はフルセンサー幅で30p、DXクロップ時には60pまで対応し、フルHDでは120pのスローモーション撮影も可能です。Nikonとして初めて、12bit N-RAWをSDカードに直接記録できるモデルである点も、映像制作を重視するユーザーには大きな特徴です。
初心者が助かるポイントと運用のイメージ
Z5 IIが入門向けとして扱いやすいのは、単にスペックが高いからではありません。高輝度な電子ビューファインダーとバリアングル式の背面モニターにより、ローアングルや自撮り、テーブルフォトなどさまざまな構図を無理なく試せます。
AFモードにはAF-Aも用意され、「動かない被写体ならAF-S、動き始めたらAF-C」という切り替えをカメラ側が自動で行ってくれます。設定に慣れていない段階でもピントを外しにくく、子どもやペットの撮影でメリットを感じやすい構成です。プリキャプチャ機能により、シャッターを押す前から最大1秒分の画像を記録できるため、ジャンプの瞬間や笑顔の一瞬を逃しにくくなります。運動会やペットの動きなど、「シャッターを切るタイミングが難しいシーン」で特にありがたい機能です。
Z5 IIが向いているユーザー像
フルサイズは初めてだけれど、長く使える一台が欲しい人にはZ5 IIが有力候補になります。家族写真や旅行スナップから、簡単なYouTube・Vlogまで対応できる性能を持ちながら、ボディサイズと価格がほどよく抑えられているためです。
将来的にZ6IIIやZ8にステップアップしたとしても、Z5 IIをサブ機として残しておく価値は十分あります。静止画主体のサブボディやタイムラプス専用機、動画のBカメラとしても活用しやすいからです。フルサイズ入門で失敗したくないなら、検討すべき一台と言ってよいでしょう。
Nikon Z6III:静止画も動画も高水準なオールラウンダー

Z6IIIは「何でも撮る」タイプのユーザーにとって、もっともバランスの良いニコンフルサイズ機と言えるモデルです。24.5MPの部分積層CMOSセンサーとEXPEED 7を搭載し、高速連写と6K動画を両立したハイブリッド機で、多くのレビューでもクラスを代表するオールラウンダーとして評価されています。
項目 | 内容 |
|---|---|
製品名 | Nikon Z6III |
発売日 | 2024年7月12日 |
センサーサイズ | 35.9×23.9mm(フルサイズ/FX) |
有効画素数 | 24.5MP |
ISO感度 | ISO 100–64000(拡張:50相当〜204800相当) |
シャッタースピード | 1/8000〜30秒(拡張で最長900秒)、電子シャッター最速 1/16000 |
本体重量 | 約760g |
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部分積層センサーとEXPEED 7がもたらすメリット
Z6IIIの24.5MPセンサーは「部分積層型」で、読み出し速度を高速化しつつ、価格と画質のバランスを取った構造になっています。その結果、DXクロップ時には最大120fpsの高速連写が可能で、フル解像度でも20fpsクラスの連写性能を実現しています。
画像処理エンジンにはハイエンド機と同じEXPEED 7が採用されており、AFの被写体認識や高感度ノイズ処理、動画処理まで一気に底上げされています。暗所でのAF追従や逆光耐性も向上しており、実戦での歩留まりは一世代前のZ6IIから明確に進化しています。
動画・配信で頼れる機能
Z6IIIは動画機として見ても本格的です。6K/60p(N-RAW)や4K/120p撮影に対応し、内部記録で10bitログ収録や高ビットレートコーデックを扱えるため、カラーグレーディングを前提とした映像制作にも対応できます。
HDMI 2.1やUVC/UAC対応のUSB-Cポートも備えており、配信機材としてPCに直接接続して使うことも可能です。動画と写真の比率が半々くらいのユーザーにとって、「これ一台でほとんどの仕事が回せる」と感じられるレベルの完成度があります。機材を増やしすぎたくないクリエイターには相性の良いボディです。
上位機との違いと選び分け
Z6IIIとZ8/Z9の大きな違いは、画素数とボディサイズ、そして連写耐性です。45.7MPセンサーを搭載するZ8/Z9に対し、Z6IIIは24.5MPに留めることでファイルサイズを抑え、高感度耐性と処理負荷の低さを得ています。
作品撮りや大判プリントが前提ならZ8、競技スポーツや野鳥など極端な動体撮影ならZ9、静止画と動画を幅広く撮るならZ6IIIという分け方が現実的です。予算と用途のバランスを考えたとき、「最初からZ8までは要らないが、将来的に仕事にも使える性能は欲しい」というユーザーにZ6IIIは刺さりやすいでしょう。
Nikon Zf:デザインと撮影体験を重視する人向け

Zfは、クラシカルな外観と最新性能を組み合わせた「撮る楽しさ重視」のニコン フルサイズ機です。見た目こそ往年のフィルムカメラですが、中身はEXPEED 7と約24.5MPのBSIセンサー、最大8段分のボディ内手ブレ補正など、Z8/Z9ゆずりのテクノロジーが盛り込まれています。
項目 | 内容 |
|---|---|
製品名 | Nikon Zf |
発売日 | 2023年10月27日 |
センサーサイズ | 35.9×23.9mm(フルサイズ/FX) |
有効画素数 | 約24.5MP |
ISO感度 | ISO 100–64000(拡張:50相当〜204800相当) |
シャッタースピード | 1/8000〜30秒(設定方法により表示・操作が変化) |
本体重量(バッテリー込み) | 約710g |
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レトロルックと最新AFのギャップが楽しい
Zfは軍艦部のダイヤルやメタル外装など、手にした瞬間に所有欲を満たしてくれるクラシカルデザインが特徴です。その一方で、AFはZ8やZ9と同等の被写体認識・3Dトラッキングを備えており、顔・瞳・動物・乗り物などの検出にも対応しています。
ダイヤルを回しながらシャッター速度やISOを操作する感覚は、オート任せでは味わえないフィーリングです。「撮るプロセス」を楽しみたい人にとって、外観と中身のギャップが魅力になるカメラと言えます。
スナップ・ポートレートで光るポイント
約24.5MPセンサーと高性能な手ブレ補正のおかげで、手持ち撮影の歩留まりが高いのもZfの強みです。街歩きスナップでシャッター速度が落ちがちな夕方でも、ISOを無理に上げずに撮影できる場面が増えます。
ポートレートでは、被写体認識AFと色の出方が相まって、雰囲気のある一枚を狙いやすくなります。Z 50mm F1.8やZ 85mm F1.8などの単焦点と組み合わせると、背景を大きくぼかしたクラシカルなポートレートが良く似合う組み合わせです。
Zfを選ぶなら押さえたい注意点
Zfは性能的にはオールラウンダーですが、ボディ重量は約710gと決して軽くはありません。長時間のイベント撮影やスポーツ撮影など、体への負担が大きい現場では、グリップ形状のしっかりしたZ8やZ6IIIの方が扱いやすいと感じるケースもあります。
また、カードスロットがSDとmicroSDの組み合わせである点も、人によって好みが分かれる部分です。連写や動画用途では高速なSDカードをメインにし、microSDはバックアップ用途と割り切るなど、運用ルールを決めておくとストレスが減ります。「撮影体験」と「実用性」のバランスを理解したうえで選ぶと、満足度の高い一台になってくれるでしょう。
Nikon Z8:ハイアマ・プロのメイン機にしたい高性能モデル

Z8は、フラッグシップZ9と同等の45.7MP積層センサーとEXPEED 7を搭載しつつ、ボディサイズを約30%小型化した「コンパクトなプロ機」です。高解像静止画と高品質な8K動画を両立し、ハイアマからプロまで幅広いユーザーにメイン機として選ばれています。
項目 | 内容 |
|---|---|
製品名 | Nikon Z8 |
発売日 | 2023年5月26日 |
センサーサイズ | 35.9×23.9mm(フルサイズ/FX) |
有効画素数 | 45.7MP |
ISO感度 | ISO 64–25600(拡張:32相当〜102400相当) |
シャッタースピード | 1/32000〜30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約910g |
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Z9ゆずりの45.7MP積層センサーと高速性能
Z8はZ9と同じ45.7MP積層CMOSセンサーを採用し、20fpsのRAW連写と120fpsのJPEG連写に対応します。積層センサーならではの高速読み出しにより、ローリングシャッター歪みを抑えつつ、完全電子シャッターでも動体を安心して撮影できるのが特徴です。
8.3K/60p N-RAWや4K/120p ProRes RAWといった動画仕様も強力で、「本格的な動画制作もできる高画素スチル機」という立ち位置を確立しています。スポーツから風景、ポートレートまで幅広いジャンルで、高画質とスピードを同時に求めるユーザーには心強い存在です。
手持ち・動画での運用をイメージする
Z8はZ9より約30%小さく、D850と比べても一回りコンパクトなボディにプロ仕様の性能を詰め込んでいます。長時間の手持ち撮影やジンバル運用でも扱いやすく、「大きすぎないフラッグシップ」として評価されています。
4軸チルト式モニターは縦位置撮影やローアングルでもフレーミングしやすく、静止画・動画の両方で恩恵があります。動画撮影では、外部レコーダーを使わなくても10bit内部記録が可能なため、機材構成をシンプルに保ちながら高品位な映像制作を行いたい人に向いたボディです。
どんなジャンルのメイン機になるか
Z8は、高画素と高速連写、動画性能すべてを高水準で求めるユーザーにとって「理想形」に近いボディです。風景・ポートレート・ブライダル・商業撮影など、仕事と趣味が混ざった使い方をするフォトグラファーに特にマッチします。
スポーツ・野鳥など最速性能を追い求めるのであればZ9の方が安心ですが、機動力や価格を含めた総合バランスではZ8が有力候補になります。「D850のミラーレス版が欲しい」というニーズに対する、現代的な回答がZ8と考えるとイメージしやすいでしょう。
Nikon Z9:スポーツ・野鳥撮影に強いフラッグシップ

Z9はニコン初の本格フラッグシップミラーレスとして登場し、現在もスポーツ・野鳥・報道といったプロの現場で主力として使われているモデルです。45.7MP積層センサーとEXPEED 7、メカシャッター廃止という設計で、高速連写と8K動画を両立させています。
項目 | 内容 |
|---|---|
製品名 | Nikon Z9 |
発売日 | 2021年12月24日 |
センサーサイズ | 35.9×23.9mm(フルサイズ/FX) |
有効画素数 | 45.7MP |
ISO感度 | ISO 64–25600(拡張:32相当〜102400相当) |
シャッタースピード | 1/32000〜30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約1340g |
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メカシャッターなしでも信頼できる高速連写
Z9は完全電子シャッターのみですが、積層センサーによる高速読み出しでローリングシャッター歪みを最小限に抑えています。RAWで20fps、JPEGで最大120fpsという連写性能を備え、決定的瞬間を連続して押さえたいスポーツや野鳥撮影で真価を発揮します。
ブラックアウトフリーのEVFにより、連写中も被写体を見失いにくく、光学ファインダーからの移行組でも違和感の少ない見え方です。AFは被写体検出と3Dトラッキングを組み合わせたシステムで、ヘルメットを被った選手や動きの速い鳥でも追従性能を発揮します。
8K動画とプロ現場向けのインターフェース
動画面では、8K/30pや4K/120p記録、長時間連続記録など、映像制作現場のニーズにも対応した仕様が用意されています。N-RAWやProRes RAWなど多様なコーデックに対応し、ポストプロダクションで柔軟なカラーグレーディングが行える点も特徴です。
フルサイズHDMIや豊富なカスタムボタン、縦位置グリップ一体型の堅牢ボディなど、プロ現場での信頼性を最優先した作りになっています。重量と価格はそれなりにハードルが高いものの、専業のスポーツ・報道・野生動物フォトグラファーにとっては「仕事道具」としての安心感が大きな魅力です。
Z8との比較で見える向き不向き
Z8とZ9は画質やAF性能がほぼ同等で、違いは主にボディサイズとバッテリー、連写耐性にあります。大容量バッテリーと縦位置グリップを内蔵するZ9は、長時間の連続撮影や極端な環境下での仕事に向いています。一方、Z8は同等の画質・AFをよりコンパクトなボディに収めた選択肢です。
趣味+仕事程度の稼働であればZ8で十分というケースも多く、本当にZ9が必要なのは「毎週のようにスポーツや動物撮影の案件がある」レベルのユーザーと言えます。自分の稼働量と撮影ジャンルを冷静に見極めたうえで、どちらが現場に合うか判断したいところです。
Nikon D850:一眼レフならではのファインダーと高画素を両立
ミラーレス全盛の今でも、D850は「高性能一眼レフ」として評価され続けているニコン フルサイズ機です。45.7MPの高画素FXセンサーと光学ファインダー、堅牢なボディを兼ね備え、風景・商品・ポートレートなど静止画作品を中心に活躍してきました。
項目 | 内容 |
|---|---|
製品名 | Nikon D850 |
発売日 | 2017年9月8日 |
センサーサイズ | 35.9×23.9mm(フルサイズ/FX) |
有効画素数 | 45.7MP |
ISO感度 | ISO 64–25600(拡張:32相当〜102400相当) |
シャッタースピード | 1/8000〜30秒(Bulb/Time 対応) |
本体重量(バッテリー込み) | 約1005g(バッテリー+XQDカード含む) |
みんなのカメラ 作例ページ |
45.7MP高画素とOVFの組み合わせ
D850の45.7MPセンサーは、一眼レフとしては依然トップクラスの解像度を誇ります。広いダイナミックレンジと低感度での緻密な描写により、大判プリントや広告用途でも十分通用する画質を提供します。
光学ファインダーは、EVFにはない自然な見え方とタイムラグゼロの応答性が魅力です。逆光や複雑な照明下での撮影では、肉眼に近い見え方で露出と光の状態を把握しやすく、長年一眼レフを使ってきたユーザーにとって大きな安心材料になります。
まだまだ現役の理由と中古の狙い目
メーカーとしては新しい一眼レフの開発を停止していますが、D850自体の性能は現在でも十分に実用レベルです。バッテリー持ちが非常に良く、ミラーレスと比べて撮影可能枚数が多い点も、長時間の山行やロケで有利に働きます。
中古市場では、発売当初より手頃な価格で良品個体が出回っており、Fマウントの豊富な中古レンズと組み合わせれば、コストパフォーマンスの高いシステムを構築できます。「静止画中心で一眼レフのファインダーが好き」という人にとって、いまから導入しても十分元が取れる機種です。
ミラーレスとの相性と併用スタイル
D850ユーザーの中には、Z8やZ6IIIを追加して「ミラーレス+一眼レフ」の組み合わせで運用している人も多くいます。スタジオや三脚を使う作品撮りではD850、機動力が求められる現場や動画撮影ではZ機という分け方をすると、お互いの弱点を補いやすいからです。
すでにFマウントレンズを複数持っている場合は、いきなりシステムを総入れ替えせず、D850を活かしながら段階的にZマウントへ移行するのも現実的な選択肢です。FTZアダプターを活用すれば、Zボディ側でもFレンズを活かせるので、無理なくミラーレス時代に馴染んでいけるでしょう。
Nikon D780:ライブビュー重視のハイブリッド一眼レフ

D780は、Z6系の技術を取り入れた「ハイブリッド一眼レフ」として登場したフルサイズ機です。24.5MPのBSIセンサーとEXPEED 6を搭載し、ライブビュー時にはZ6に近い位相差AFと動画性能を発揮しながら、ファインダー撮影時は従来どおり一眼レフとして扱えるのが特徴です。
項目 | 内容 |
|---|---|
製品名 | Nikon D780 |
発売日 | 2020年1月24日 |
センサーサイズ | 35.9×23.9mm(フルサイズ/FX) |
有効画素数 | 24.5MP |
ISO感度 | ISO 100–51200(拡張:50相当〜204800相当) |
シャッタースピード | 最速 1/8000秒/最長 900秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約840g(バッテリー+SDカード含む) |
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Z6ゆずりのライブビューAFと動画性能
D780はライブビュー時にセンサー面位相差AFを使用し、滑らかなAF追従と顔・瞳認識に対応します。これはZ6と共通するAFシステムであり、従来の一眼レフで弱点になりがちだったライブビュー・動画撮影の使い勝手を大きく改善しています。
動画面では4K/30pのフルフレーム記録や、フルHDでのスローモーション撮影に対応し、シネマライクな映像制作もこなせるポテンシャルを持っています。写真がメインだが、クライアントから動画も時々頼まれるようなフォトグラファーにとって、一台で二役をこなせるボディです。
ファインダー撮影での強み
光学ファインダー撮影では、D750譲りの操作性とバランスの取れた連写性能を備えています。24.5MPという画素数は高感度耐性とデータサイズのバランスが良く、ブライダルやイベント撮影でも扱いやすい画質とファイル容量です。
バッテリー持ちの良さも一眼レフならではで、ライブビューと併用してもミラーレスほどバッテリーを気にせずに撮影できるのは大きな利点です。特に寒冷地や長時間の屋外撮影が多い人には、D780の安心感は見逃せません。
D780がハマるユーザーとシーン
すでにFマウントレンズを複数所有しており、すぐにZマウントへ全面移行する予定がないユーザーにとって、D780は現実的な選択肢です。Z6級のライブビューAFと動画性能を一眼レフの操作感で使えるため、「動画も撮るけれど、メインは写真」という人との相性が良いボディと言えます。
また、ミラーレスへの完全移行に踏み切れない場合の「つなぎ」としても有効です。将来的にZ8やZ6IIIを導入しても、D780はサブ機として十分活躍できる性能を持っているため、長期的な投資としても検討する価値があるモデルです。
主要ニコンのフルサイズカメラの比較と選び方のまとめ
ここまで紹介してきたニコン フルサイズ機を、ざっくり比較しながら「結局どれを選べば良いのか」を整理してみましょう。スペックだけでなく、予算や用途、将来のステップアップも含めて俯瞰すると、自分に近いポジションが見えてきます。
スペック比較表で整理する
代表的な機種を簡単な表にまとめると、次のようなイメージになります。
機種 | 種別 | 有効画素数 | 特徴の一例 |
|---|---|---|---|
Z5 II | Zミラーレス | 約24.5MP | EXPEED 7・高速AF・N-RAWをSDに記録可能 |
Z6III | Zミラーレス | 約24.5MP | 部分積層センサー・6K/60p・高性能AF |
Zf | Zミラーレス | 約24.5MP | レトロデザイン・8段分IBIS・Z8/Z9級AF |
Z8 | Zミラーレス | 約45.7MP | 積層センサー・8K動画・Z9より小型 |
Z9 | Zミラーレス | 約45.7MP | フラッグシップ・120fps連写・8K長時間記録 |
D850 | 一眼レフ | 約45.7MP | 高画素OVF機・静止画作品向き |
D780 | 一眼レフ | 約24.5MP | Z6級ライブビューAF・動画も対応しやすい |
この表をベースに、自分がどのあたりの画素数とサイズ感を求めているのかをチェックしてみましょう。
予算×用途でざっくり機種を絞る
予算をざっくり「エントリー」「中級」「ハイエンド」に分けて考えると、次のようなイメージで候補を絞れます。エントリー〜中級予算ならZ5 IIが最有力で、「静止画メインの万能機+たまに動画」という使い方に適した構成です。
中級〜ハイエンドに手を伸ばせるなら、静止画+動画のバランス派はZ6III、撮る楽しさ重視ならZf、高画素とプロ性能重視ならZ8、スポーツ専業ならZ9という分け方が現実的です。すでにFマウント資産がある場合は、D850やD780を軸に据えつつ、将来のZマウント移行を視野に入れるのも一つの戦略です。
レンズ選びのファーストステップ
ボディを決めたら、次はレンズ選びです。ニコン フルサイズでは、標準ズーム+明るい単焦点の2本構成がもっとも汎用性が高く、最初の一歩として失敗が少ない組み合わせと言えます。Z5 IIやZ6IIIならZ 24-70mm F4+Z 40mm F2あたりが扱いやすく、Z8/Z9ならZ 24-120mm F4+Z 85mm F1.8の組み合わせも心強い構成です。
一眼レフ系なら、D850に24-120mm F4や35mm F1.8、D780に24-70mm F2.8や50mm F1.8といったクラシックな組み合わせが定番です。将来Zマウントへ移行することを考えるなら、Zレンズで重複しそうな焦点距離を避けつつ、Fマウントの強みが出るレンズだけを残していくと、システムがスリムにまとまりやすくなります。
ニコンのフルサイズカメラまとめ
ニコンのフルサイズは、エントリーのZ5 IIからフラッグシップのZ9、一眼レフのD850/D780まで、用途と予算に応じた豊富な選択肢が用意されています。まずは「予算」「撮影スタイル」「レンズ計画」の3つを整理し、自分がどのポジションにいるのかをはっきりさせることが、後悔しないボディ選びの近道です。この記事で触れた各モデルの特徴を照らし合わせながら、まずは一台「軸になるニコン フルサイズ」を決めてみてください。そのうえで単焦点や望遠レンズを少しずつ追加していけば、撮影の幅も楽しさも一気に広がっていきます。
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