
【登山カメラ決定版】おすすめのミラーレスをメーカー別・用途別で比較












登山のご褒美は、稜線の向こうからやってくる一瞬のドラマ。スマホも便利ですが、風や光の質感、星の粒まで「残したい」を叶えるのがミラーレス一眼です。この記事では登山カメラの選び方の核心とおすすめできるミラーレスをメーカー別・用途別で紹介します。
この記事のサマリー

登山用は「軽さ×耐久性×手ブレ補正×AF」がキモ。選ぶ軸を最短で定める。

各メーカーから山向きの軽量モデルが充実。最新は防塵防滴やIBISが強力。

実写を左右するのは総重量と運用。レンズ構成まで含めて最適解を出す。

用途別(軽量最優先/星景/野鳥/Vlog)で「これを買えば失敗しにくい」組み合わせを提示。
登山カメラの選び方ガイド:軽さと信頼性を起点に最適解を割り出す

山では「軽いこと」が行動力を生み、「耐久性」が撮影機会を守ります。さらにボディ内手ブレ補正(IBIS)と被写体検出AFは、薄暗い森や突風の稜線でも歩留まりを押し上げる要素。
センサーと種類:画質と携行性のトレードオフを理解する
大きなセンサーは高画質ですが、ボディとレンズは重くなります。実用上、登山ではAPS-Cやマイクロフォーサーズ(MFT)の軽量システムが強い味方。迷ったら総重量1kg以下を目安にすると失敗しにくいでしょう。ミラーレス主流の流れは各種統計でも裏付けられ、機動性と画質のバランスを重視する声が顕著です。
フルサイズはダイナミックレンジや高感度で優位。最高画質を求める作品狙いなら候補に。ただしザックの総重量が増えるため、行程・体力とのバランスが重要です。センサーと重量は常に天秤、が基本です。
軽さ・耐久性・手ブレ補正:山で効く“実戦三種の神器”
長時間行動ではボディ単体400〜600g台が扱いやすいゾーン。加えて防塵防滴や耐低温の記載は、急変する山天気の保険です。IBISは「もう一段シャッターを落とせる」安心感をもたらし、最新機では7段前後の補正も珍しくありません。特に等級(例:IP53)の明示は判断を速くします。
被写体検出AFと高速連写は、揺れる花や鳥、仲間の動きに効きます。電子シャッターの高速連写やプリ連写は「起きる直前から撮れる」機能。稜線での一瞬を拾う武器になります。
ミラーレスカメラの軽量化で登山にも対応できるように
ミラーレスカメラの急激な進化により、最近はミラーレスカメラ自体も年々軽量化が進み、登山のように「荷を減らしたい撮影シーン」でも選択肢が一気に広がりました。その結果、単に軽い機材を求めるだけでなく、より描写の質や階調再現にこだわる方向へとシフトしています。
小型化しながらもフルサイズセンサー搭載機や高性能レンズの保有が実現したことで、“持ち歩けるプロ画質”を実現できる時代になりました。つまり今の登山カメラ選びでは、「軽さを理由に画質を諦める」必要がなくなりつつあり、軽量機材でどこまで理想の表現を追えるかのバランスが肝です。この記事ではそんなミラーレスカメラの具体的なおすすめ機種を紹介していきます。
登山のおすすめミラーレスカメラ比較 早見表
機種名 | 一言まとめ |
|---|---|
Sony α7C II | 軽量フルサイズの本命。33MP+7段IBISで山でも妥協のない画質と携行性。 |
Sony α6700 | 望遠に強いAPS‑C万能機。軽量・動画対応も優秀で一本化しやすい。 |
Canon EOS R8 | 最軽量級フルサイズ。電子40fpsと高感度で「軽さ=撮れる回数」を最大化。 |
Canon EOS R7 | 8段協調手ブレ+電子30fps。野鳥や動体までこなすAPS‑Cの定番。 |
Nikon Z6III | -10EV級AF×プリ連写。悪条件で“撮れる”を支える耐久性のオールラウンダー。 |
Nikon Zf | ダイヤル操作×最新AF。1/32,000電子で表現幅、所有欲も満たす。 |
OM SYSTEM OM‑5 | IP53×‑10℃対応の軽量タフ。登山専用機と呼びたい携行性。 |
OM SYSTEM OM‑1 Mark II | IBIS最強クラス。悪天・暗所・動体で一段上の歩留まり。 |
LUMIX G9II | 像面位相差AF搭載MFT旗艦。写真も動画も“全部入り”。 |
LUMIX G100D | 超軽量Vlogサブ機。1/16,000電子で晴天の絞り開放もOK。 |
FUJIFILM X‑S20 | 約800枚のスタミナ。色作りと7段IBISで“軽快な山旅”に最適。 |
FUJIFILM X‑T5 | 40MPの風景特化。ダイヤル操作で作品づくりに没入できる。 |
ソニー α7C II(フルサイズ/約514g):軽さと33MP、7段IBISのパフォーマンス型

「フルサイズ+本気の機能」を500g台で持ち出したい人の有力候補。7.0段相当の手ブレ補正と33MPの解像、広い検出AFの守備範囲が山の幅広い被写体に対応します。機動力を損なわず、稜線から街スナップまで一台で回せる汎用性が魅力です。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | Sony α7C II(ILCE‑7CM2) |
発売日 | 2023年10月13日 |
センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
有効画素数 | 約3,300万画素 |
ISO感度 | ISO 100–51,200(拡張:ISO 50–204,800) |
シャッタースピード | メカ:1/4000–30秒・B/電子:1/8000–30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約514g |
みんなのカメラ 作例ページ |
山で効くポイント
バッテリー・カード込み約514gの軽さ。EVFや可動液晶を備えつつ、最高10fps連写と検出AF(人物・動物・鳥・車両ほか)で歩留まりを確保。33MPはトリミング耐性にも寄与します。
IBISはCIPA基準で最大約7.0段。薄暗い樹林帯や夕景でも、手持ちで粘りやすいのが実戦的。軽量三脚との併用で星景の歩留まりも向上します。
弱点と対処
防塵防滴は配慮設計で完全防水を保証しません。小雨は運用とレインカバーでカバーし、耐候レンズの併用が安心です。10fpsは動体特化機に劣る局面も。速い被写体中心ならAPS-Cの高速連写機やプロ機との棲み分けが有効です。
ソニー α6700(APS-C/約493g):望遠に強い万能機。動画まで一台完結

APS-Cで軽快に攻めたい人の本命クラス。約493gの小型ボディに最新世代のAF・動画機能を搭載。1.5倍換算の“望遠の得”は、遠いピークや野鳥を引き寄せたい山で効きます。写真もVlogも一本化したい人に好適です。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | Sony α6700(ILCE‑6700) |
発売日 | 2023年7月28日 |
センサーサイズ | APS‑C |
有効画素数 | 約2,600万画素 |
ISO感度 | ISO 100–32,000(拡張:最大ISO 102,400) |
シャッタースピード | メカ:1/4000–30秒・B/電子:1/8000–30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約493g |
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山で効くポイント
被写体検出AFの対応範囲が広く、瞳や鳥認識の粘りが実用的。最高11fps、4K120pやログ撮影にも対応し、静止画・動画の両立がしやすい構成です。
ボディは防塵防滴に配慮した設計。小型軽量のEマウントAPS-Cレンズが豊富で、総重量を抑えたシステムを組めます。
弱点と対処
超高速連写や暗所AFの最上級はフルサイズ上位に譲る局面も。必要に応じて明るいレンズで補いましょう。悪天時はレインカバー必携。低温時はバッテリー低下に備えて予備を複数用意すると安心です。
キヤノン EOS R8(フルサイズ/約461g):最軽量級フルサイズと電子40fps

「フルサイズでとにかく軽く」を実現する1台。約461gという携行性に、電子40fps、上位譲りのAFが合わさり、山のチャンスに強い相棒になります。軽さ起点で“撮影回数”が増やせるのも実利です。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | Canon EOS R8 |
発売日 | 2023年4月13日 |
センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
有効画素数 | 約2,420万画素 |
ISO感度 | ISO 100–102,400(拡張:ISO 204,800) |
シャッタースピード | EFCS:1/4000–30秒・B/電子:1/16,000–30秒(メカニカルシャッター非搭載) |
本体重量(バッテリー込み) | 約461g |
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山で効くポイント
電子シャッター40fpsは、動きのある被写体での決定力を高めます。約24MPでデータ運用も軽く、下山後の処理負荷を抑えられます。
ボディ内手ブレ補正(IBIS)は非搭載。IS付きレンズの活用と、シャッター速度のマージン確保が定石です。小雨・飛沫は防護カバー併用が安心です。
弱点と対処
連写主体の運用はバッファと電池管理が鍵。RAWは要所に絞り、休憩時のUSB給電を組み合わせると安定します。耐候は“防塵防滴構造”をうたうものの完全防水ではありません。運用面で補完しましょう。
キヤノン EOS R7(APS-C/約612g):協調ISで堅実、電子30fpsの万能型

APS-Cの解像と望遠の“伸び”を活かしつつ、電子30fpsの連写まで備える万能機。山で「失敗を減らす装備」として完成度が高いです。野鳥から稜線の仲間ショットまで幅広く対応します。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | Canon EOS R7 |
発売日 | 2022年6月23日 |
センサーサイズ | APS‑C |
有効画素数 | 約3,250万画素 |
ISO感度 | ISO 100–32,000(拡張:ISO 51,200) |
シャッタースピード | メカ:1/8000–30秒・B/電子:1/16,000–30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約612g |
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山で効くポイント
メカ約15fps/電子30fpsで瞬間を捉えやすい。被写体検出AFも堅実で、鳥・動物・人物の追従が良好。遠いピークの抜きや野鳥の止まりも狙えます。
手ブレ補正は基本最大7.0段(協調ISの条件下で最大8.0段)。薄暗い樹林帯でも低速に踏み込める実戦性があります。
弱点と対処
ボディはエントリー級より重め。逆にグリップと安定感は長所なので、行程や脚力で選び分けると良いでしょう。高画素APS-Cはブレにシビア。構えの丁寧さとシャッター速度のマージン確保が歩留まり向上の鍵です。
ニコン Z6III(フルサイズ/約760g):−10EV級AF×プリ連写×耐久性、防滴の心強さ

24MPの新センサーでAF・連写・動画の全方位を底上げした中核モデル。低照度−10EV対応のAFやプリ連写(最大120fps)、上位機に準じる防塵防滴で“悪条件で撮れる”を後押し。厳冬期のフィールドワークにも向きます。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | Nikon Z6III |
発売日 | 2024年7月12日 |
センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
有効画素数 | 約2,450万画素 |
ISO感度 | ISO 100–64,000(拡張:LOW・HIで最大ISO 204,800相当) |
シャッタースピード | メカ:1/8000–30秒・B/電子:1/16,000–30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約760g |
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山で効くポイント
暗所AFの強さは薄明・薄暮で効く。プリ連写は「起こる前から記録」でき、雷鳥の羽ばたきやジャンプの頂点を拾いやすい特性です。
動作環境は−10〜40℃。シーリングとマグネシウム合金ボディの組み合わせで、雪や吹きつける飛沫にも強い運用が可能です。
重量と取り回し
約760g(バッテリー・カード込み)。軽量機より重い分、安定感と操作余裕が増します。長行程はチェストハーネスや前掛け運用で負担分散を。テレ中心なら縦グリで握りやすさと電源冗長性を確保。手袋越しの操作性も改善します。
ニコン Zf(フルサイズ/約710g):ダイヤル操作の楽しさ×最新AF、山でも映える1台

クラシカルな外観に最新世代のAF・手ブレ補正を融合。重量は約710gとしっかり目ですが、耐候性と操作感の満足度が高く、撮影体験“そのもの”に価値を置く人に向いたモデルです。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | Nikon Zf |
発売日 | 2023年10月27日 |
センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
有効画素数 | 約2,450万画素 |
ISO感度 | ISO 100–64,000(拡張:ISO 204,800相当) |
シャッタースピード | メカ:1/8000–30秒・B/電子:1/32,000–30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約710g |
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山で効くポイント
露出・ISO・SSのダイヤル操作は薄手グローブでも直感的。構図を追い込みながら設定が決まる手応えがあります。
最新AFとIBISにより失敗を抑制。重量は安定感にも寄与し、風の影響が大きい稜線で安心感が増します。
弱点と対処
軽量至上主義なら他機が有利。Zfは“撮影体験”に価値を置く人向けです。チェストストラップや前掛けで取り回し最適化を。動作環境は0〜40℃。厳寒期はバッテリー低下への備え(保温・予備複数)が有効です。
OM SYSTEM OM‑5(MFT/約414g):IP53耐候×協調7.5段、登山常備の本命

小型軽量にタフさを詰め込んだ“山カメラ”。IP53の防塵防滴と−10℃動作、5軸IBIS(レンズ協調最大7.5段)が武器。414gの軽さで常にザックに入れておける安心感が魅力です。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | OM SYSTEM OM‑5 |
発売日 | 2022年11月18日 |
センサーサイズ | マイクロフォーサーズ |
有効画素数 | 約2,037万画素 |
ISO感度 | ISO 200–25,600(拡張:LOWあり) |
シャッタースピード | メカ:1/8000–60秒・B/電子:1/32,000–60秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約414g |
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山で効くポイント
IP53の等級表示は突然の雨や飛沫への耐性目安として有用。軽さとタフさの同居が登山用途にフィットします。
手持ちハイレゾやLive ND、Pro Captureなど“持ち物を減らす機能”が豊富。三脚が立てにくい岩場でも表現の幅を確保できます。
弱点と対処
フルサイズに比べ高感度ノイズは不利。星景はISO上限と積算露光を意識し、スタックやNRで補いましょう。動体AFは上位機に譲る局面も。鳥メインならOM‑1 Mark IIや高速連写機との棲み分けが現実的です。
OM SYSTEM OM‑1 Mark II(MFT/約599g):IP53×最大8.5段、悪天と暗所に強い旗艦

IP53耐候と−10℃動作、強化されたAI被写体認識と最大約8.5段の手ブレ補正を備えるフラッグシップ。星・滝・野鳥…条件が悪いほど価値を発揮。MFTの機動力を保ちつつ、表現の自由度を最大化します。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | OM SYSTEM OM‑1 Mark II |
発売日 | 2024年2月23日 |
センサーサイズ | マイクロフォーサーズ |
有効画素数 | 約2,037万画素 |
ISO感度 | ISO 200–102,400(拡張:LOWあり) |
シャッタースピード | メカ:1/8000–60秒・B/電子:1/32,000–60秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約599g |
みんなのカメラ 作例ページ |
山で効くポイント
強力なIBISが長秒手持ちを現実的に。Live NDやPro CaptureでNDや大柄な三脚の携行を省けます。
AI被写体認識は鳥・動物・車両など幅広く実戦的。雨雪のフィールドで“撮れる”を担保します。
弱点と対処
MFTゆえ大ボケ表現は不利。被写体と背景距離や望遠側の活用で解決策を取りましょう。価格は中上位帯。OM‑5との住み分けは「動体AFと過酷環境の頻度」で判断すると納得感が高いです。
Panasonic LUMIX G9II(MFT/約658g):像面位相差AF×最大8段、写真も動画も強い

Gシリーズ初の像面位相差AFで高速合焦。最大8段級の手ブレ補正、AF追従の高速連写、5.7K/4K120pなど動画機能まで“全部入り”。防塵防滴・−10℃の耐久性ボディも山向きです。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | Panasonic LUMIX G9II(DC‑G9M2) |
発売日 | 2023年10月27日 |
センサーサイズ | マイクロフォーサーズ |
有効画素数 | 約2,520万画素 |
ISO感度 | ISO 100–25,600(拡張あり) |
シャッタースピード | メカ:1/8000–60秒・B/電子:1/32,000–60秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約658g |
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山で効くポイント
AF‑Cでの連写耐性が高く、鳥やランナーの動きに強い。−10℃対応で突然の吹雪でも撮影継続が現実的です。
5.7Kや4K120pにより、稜線のタイムラプスからスローモーションまで記録を「作品」に高めやすい構成です。
弱点と対処
MFTとしては重量しっかりめ。握りの安定感は長所で、長玉運用のバランスも取りやすい側面があります。動画主体は電力消費大。モバイルバッテリー給電・省電力設定・充電計画の三点セットで安定運用を。
Panasonic LUMIX G100D(MFT/約346g):超軽量Vlog機、日帰りハイクに好相性

約346gの軽さにフリーアングル液晶、指向性マイクなど“撮って出しVlog”の装備がまとまったサブ機。晴天の軽登山や旅登山の記録用に適します。身軽に歩きながら撮りたい人へ。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | Panasonic LUMIX G100D(DC‑G100D) |
発売日 | 2024年1月26日 |
センサーサイズ | マイクロフォーサーズ |
有効画素数 | 約2,030万画素 |
ISO感度 | ISO 100–25,600 |
シャッタースピード | 静止画トータル:60–1/16,000秒(自動切替/メカ上限1/500秒、超高速は電子で対応) |
本体重量(バッテリー込み) | 約346g |
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山で効くポイント
4K動画とコンパクトなキットズームで、道中のメモ記録を量産しやすい。胸元ストラップ運用でアクセスが速くなります。
自撮りしやすい可動液晶と軽量三脚の組み合わせで、山頂でのセルフ記録も容易です。
弱点と対処
防滴や強力IBISは非搭載。悪天候日は回避し、レンズ側O.I.S.や姿勢・速度でブレ対策を。暗所ノイズは上級機に劣るため、夕方以降はISOを上げ過ぎず計画的に切り上げる判断も大切です。
FUJIFILM X‑S20(APS‑C/約491g):“最大約800枚”級のスタミナ×7段IBIS

大容量NP‑W235でスタミナに強い。約491gの軽さに7.0段IBIS、6.2K動画、被写体検出AFを搭載。軽快な山旅と相性が良く、フィルムシミュレーションの発色も風景に好適です。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | FUJIFILM X‑S20 |
発売日 | 2023年6月29日 |
センサーサイズ | APS‑C |
有効画素数 | 約2,610万画素 |
ISO感度 | ISO 160–12,800(拡張:ISO 80–51,200) |
シャッタースピード | メカ:1/4000–30秒・B/電子:1/32,000–30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約491g |
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山で効くポイント
静止画はCIPA基準でエコノミー時 最大約800枚(表示モード等で約750〜800枚)。撮影枚数への不安を抑えられます。
7.0段IBIS+軽量ボディで夕景や森影でもISOを抑えて粘りやすい。JPEG出しの色づくりも強みです。
弱点と対処
ボディの耐候構造は最上位機に及びません。雨天はレインカバーを。星狙いは明るい単焦点の併用で露出とノイズのバランスを取ると良好です。AFの最前線はフルサイズ上位に譲る場面もありますが、記録から作品づくりまで“ちょうど良い”万能感が魅力です。
FUJIFILM X‑T5(APS‑C/約557g):40MP×7段IBIS、風景描写を突き詰めたい人へ

40.2MPの高解像とダイヤル操作の楽しさを両立。約557gのボディに7.0段IBIS、耐候構造も備え「作品狙いの山行」で真価を発揮します。大伸ばしや等倍鑑賞を視野に入れる人向けです。
項目 | 仕様 |
|---|---|
製品名 | FUJIFILM X‑T5 |
発売日 | 2022年11月25日(国内) |
センサーサイズ | APS‑C |
有効画素数 | 約4,020万画素 |
ISO感度 | ISO 125–12,800(拡張:ISO 64–51,200) |
シャッタースピード | メカ:1/8000–30秒・B/電子:1/32,000–30秒 |
本体重量(バッテリー込み) | 約557g |
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山で効くポイント
高解像で遠景のディテールまで描けます。ダイヤル操作はリズムを作りやすく、構図への集中を助けます。
7.0段IBISで低速も攻めやすく、軽量三脚派とも好相性。朝夕の薄明や森林の陰影で歩留まりの差が出ます。
弱点と対処
40MPはブレにシビア。構えを丁寧に、電子先幕・連写の使い分けで低速を攻めましょう。UHS‑IIカードと現像環境の計画も有効です。動体の粘りは世代差が出ることも。風景主体なら大きな問題になりにくく、必要に応じて設定・レンズで補います。
用途別おすすめセット:目的別に失敗しにくい組み合わせ

登山におすすめのミラーレスカメラといっても、目的が違えば最適解は変わります。ここでは軽さ最優先/星景/野鳥・動体/Vlog記録の4タイプで、失敗しにくい組み合わせを提案。まずは背負える総重量から逆算するのが近道です。
用途別おすすめカメラ比較表
用途 | おすすめ機材 | 理由 |
|---|---|---|
軽さ最優先(サクッと日帰り) | OM-5+M.Zuiko 12-45mm F4 PRO | IP53の防塵防滴と約414gの軽量ボディで、登山中も常時携行できる万能セット。強風の稜線でも強力なボディ内手ブレ補正(IBIS)が支え、風景・記録撮影どちらにも安心感あり。 |
軽さ最優先(フルサイズ派) | EOS R8+RF 24mm F1.8 Macro | 約461gと軽量ながらフルサイズ画質を確保。明るいF1.8で夕景や星の入口もカバーでき、電子シャッター40fpsの高速連写で動きのある被写体にも対応。 |
星景・長秒(三脚最小化) | OM-1 Mark II+M.Zuiko Digital ED 7-14mm F2.8 PRO | 優れたIBISとLive ND/Live Compositeで長秒撮影も三脚レスに。荷物を減らしながらも星景・夜景を安定して撮れる構成。 |
星景・長秒(高解像重視) | FUJIFILM X-T5+XF 14mm F2.8 R | 約4000万画素センサーで星の粒を精密に描写。追尾AFや連写で星の軌跡・スタック撮影にも対応し、表現の自由度が高い。 |
野鳥・動体(軽量テレ端) | EOS R7+RF 100-400mm F5.6-8 IS USM | APS-Cセンサーで焦点距離換算640mm。電子シャッター30fpsと協調ISで高い歩留まりを確保。軽さと望遠性能のバランスが秀逸。 |
野鳥・動体(耐候・高耐久) | Nikon Z6III+NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S | 高速プリ連写や堅牢ボディで悪天候下でも信頼性が高い。重量配分が良く、縦グリップ追加で長時間撮影にも対応できる。 |
Vlog・記録(本格志向) | Sony α6700+小型ジンバル+E 11mm F1.8 | 超広角で自撮りにも景色にも強く、4K120pの滑らかな映像が撮れる。AI追尾AFで歩き撮りも安定し、登山Vlogに最適。 |
Vlog・記録(軽量・簡単撮り) | LUMIX G100D+12-32mm | 重量わずか約350gで最軽量クラス。軽快に持ち歩けるため登頂時の自撮りや記録に最適。ハイアングルでも扱いやすく、初心者にも扱いやすい。 |
軽さ最優先(サクッと日帰り)
OM‑5+M.Zuiko 12‑45mm F4 PRO。IP53耐候と軽さで「常に持ち歩ける」。風の強い稜線もIBISが助けます。
フルサイズ派ならEOS R8+RF 24mm F1.8 Macro。軽量×明るさで夕景〜星の入口まで。電子40fpsは動きにも対応。
星景・長秒(三脚最小化)
OM‑1 Mark II+明るい超広角(7‑14mm F2.8級)。IBISとLive系機能で荷物を減らしつつ表現を広げる構成です。
高解像重視ならX‑T5+XF 14/2.8。微細な星の構造を狙うなら追尾やスタックも視野に。
野鳥・動体(決定的瞬間)
EOS R7+RF 100‑400mm。電子30fpsと協調ISで歩留まり良好。テレ端の解像と軽さの両立が魅力です。
Z6III+Z 100‑400mm。プリ連写と耐久性で悪天の出会いを逃さない。重量配分に縦グリも有効。
Vlog・記録(歩きながら撮る)
α6700+小型ジンバル+E 11mm F1.8。超広角で自撮りも景色も。4K120pで滑らかな山動画に。
G100D+12‑32mm。最軽量クラスで荷が軽い=歩ける距離が伸びる。山頂のセルフ収録も容易です。
主要モデルのスペック比較まとめ(重量・手ブレ補正・耐候性)
購入前に「何を優先するか」を一目で再確認。重量はバッテリー・カード込みの公称、IBIS値はCIPA相当の最大段数を基準に整理しています。
モデル | 重量(約) | IBIS | 耐久性 | トピック |
|---|---|---|---|---|
Sony α7C II | 514g | 最大7.0段 | 防塵防滴配慮 | 最大10fps/検出AF |
Sony α6700 | 493g | ボディ内補正 | 配慮設計 | 4K120p/APS‑Cで望遠有利 |
Canon EOS R8 | 461g | ─(レンズ側で対応) | 防塵防滴構造 | 電子40fps |
Canon EOS R7 | 約612g | 最大7.0段(協調時は最大8.0段) | 防塵防滴 | 電子30fps |
Nikon Z6III | 760g | ボディ内補正 | 強化防塵防滴/−10℃ | プリ連写120fps/低照度AF |
Nikon Zf | 710g | ボディ内補正 | 防塵防滴/0〜40℃ | ダイヤル操作×最新AF |
OM SYSTEM OM‑5 | 414g | 最大7.5段(協調) | IP53/−10℃ | 軽量タフの代表格 |
OM SYSTEM OM‑1 Mark II | 599g | 最大8.5段 | IP53/−10℃ | 悪天に強い旗艦 |
LUMIX G9II | 658g | 最大8段 | 防塵防滴/−10℃ | 位相差AF/高速連写 |
LUMIX G100D | 346g | ─(電子式中心) | ─ | 超軽量Vlog機 |
FUJIFILM X‑S20 | 491g | 最大7.0段 | ─(配慮) | 約750〜800枚(CIPA目安) |
FUJIFILM X‑T5 | 557g | 最大7.0段 | 防塵防滴/−10〜40℃ | 40MP高解像 |
Tips:山で“撮れる”を増やす装備とやり方

装備選び以上に効くのが“運用”。携行法・電源・天候対応を整えると成功体験が増えます。軽く・安全に・確実に撮るためのポイントを整理します。
携行法とアクセス
取り出しに手間がかかると機会損失に直結。チェストハーネスやショルダーポーチで「3秒以内アクセス」を作ると撮影回数が増えます。
悪路では落下対策を。ハンドストラップ+落下防止コードでリスクを低減。岩場は安全最優先です。
電源と天候対策
低温はバッテリーの天敵。予備は内ポケットで保温し、休憩中にUSB給電で回すと安定します。IP表記でも完全防水ではないため、レインカバーと吸水クロスは常備を。
結露は収納前に温度慣らしを。下山後はドライボックスで乾燥・保管すると安心です。
設定の勘所
強風の稜線はS優先で1/500秒以上を目安にISOで露出を調整。樹林帯はIBISを活かしつつ被写体ブレに注意。
動体は被写体検出AF+電子連写、星は広角・開放・高ISOの“三点”にノイズリダクションやスタックを組み合わせてクリーンに仕上げます。
登山のおすすめミラーレスカメラ比較のまとめ
登山のおすすめカメラは、軽さ・耐久性・手ブレ補正・AFの4点を軸に選べば大きく外しません。軽快派はOM‑5やX‑S20、最高の一枚を狙うならα7C IIやX‑T5、悪天攻略はOM‑1 Mark IIやZ6IIIが頼れる相棒。用途別(軽量/星景/野鳥/Vlog)の定番セットまで決まっていれば、あとは山へ。総重量と行程から逆算し、あなたの“山の写真”を一台で形にしましょう。
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