新宮熊野神社

平安後期創建と伝わる新宮熊野神社は、拝殿「長床」と呼ばれる寝殿造りの茅葺き建築と、樹齢八百年を超える大イチョウが織りなす荘厳な社景で知られる。44本の太い円柱が整然と並ぶ内部は吹き抜けで光が柔らかく回り、木漏れ日が差す早朝は柱の陰影が際立つ。秋の黄葉シーズンには黄金色の絨毯が広がり、広角レンズでローアングルから撮れば柱列のパースと落葉のグラデーションが同時に収まる。雪化粧や新緑も美しく、四季通して静謐な空気に包まれるが、午前中は参拝客が少なく撮影しやすい。宝物殿では国重要文化財の銅鉢や仏像も見学可能だ。