上河内岳

上河内岳（長野側）は飯田市側から南アルプス主稜線に立ち上がる深い谷と尾根の奥にあり、信州側の山の奥行きを体感できるピーク。長いアプローチで樹林帯を抜けると、一気に視界が開け、眼下には伊那谷方面の山並み、その向こうに中央アルプスの白い稜線が重なる。聖岳から赤石岳へと続く大きな山塊を真正面に望めるのも魅力で、残雪期には白い斜面と岩稜の陰影がグラフィカルになる。夕方、信州側の空がオレンジに染まる時間帯には、稜線を歩く登山者のシルエットを小さく入れるとスケール感が際立つ。広角で大きな空と稜線を、望遠で重なる峰々のレイヤーを切り取れば、信州側から見た南アルプスの迫力を存分に表現できる。