東郷山

広島市佐伯区と安佐南区にまたがる東郷山は標高977m、白井の滝から登るルートが人気のブナと展望の山です。沢沿いの静かな道から樹林帯を抜けると、鉄塔の立つ尾根筋に出て視界が開け、やがて狭い山頂からはドーム状の阿弥陀山や大峰山、中国山地の稜線を一望できます。春はブナの新緑が逆光に透けて柔らかな緑のトンネルとなり、夏はガスの流れる森、秋は紅葉とススキが斜面を彩り、冬は霧氷が枝先を飾るなど季節ごとの表情が豊か。中距離のハイキングながら山らしいスケール感があり、稜線の起伏を生かした山岳写真を撮りたい人に向いた一座です。