黒田家代官屋敷長屋門

黒田家代官屋敷の長屋門は、周囲に濠を巡らせた広大な屋敷構えの顔となる存在で、白漆喰と黒い腰板、瓦屋根の直線が美しい被写体です。中世城館を思わせる土塁と濠を前景に置き、門をややオフセットして広角で狙うと、代官屋敷らしい威厳と奥行きが一枚に収まります。門内の土間や柱の木目を寄りで切り取れば、往時の出入りの気配も感じられ、梅の季節には咲きこぼれる花が画面に彩りを添えます。濠沿いの遊歩道から望遠で切り取ると、門だけを抽象的な線と面として表現することもでき、モノクロ仕上げとの相性も抜群。晴天の日は瓦の反射を抑えるために少し絞り、曇天では木と土壁の階調を丁寧に拾うと、編集で扱いやすい画になります。