枡築らんかん橋

防府市田島の枡築らんかん橋は、塩田の間を流れる入川に架けられた江戸中期の石造刎橋で、中央が持ち上がった独特の姿が写真心をくすぐります。かつては九つ並んでいた橋のうち現在残るのは一基のみで、周囲の干潟と合わせて撮ると、往時の産業景観を凝縮したようなフレームになります。両岸の石組から片持ち状に石材が突き出し、その上に板石が載る構造なので、側面から川と一緒に広角で狙うと面白いリズムが生まれます。干潮時には露出した河床や小舟のシルエットを前景に入れ、夕方の斜光や小雨のしっとりした質感も積極的に活かしたい橋です。