東海道名主の館「小池邸」

静岡市清水区由比の東海道名主の館「小池邸」は、由比宿と興津宿の間で名主を務めた小池家の母屋を公開した登録有形文化財。低い瓦葺きの軒と潜り戸付きの大戸、平瓦を並べたナマコ壁が外観のポイントで、出し桁造りの深い軒をローアングルで捉えると重心の低い一枚になります。内部はたたき土間と六畳四間が田の字形に並び、大黒柱や食器棚、古道具がそのまま残るので、斜光が入る時間帯に室内の陰影を意識して撮りたいところ。東海道ウォーキングの休憩所としても利用されており、街道を歩く人の姿を小さく入れると“旅の中の名主屋敷”というストーリーが自然に立ち上がります。