国重要文化財「明治の芝居小屋　康楽館」

劇場空間そのものが被写体で、客席から舞台へ伸びる視線の導線が気持ちいい。広角でプロセニアムと天井装飾を一体に、標準で座席や手すりの反復、望遠で欄干の彫刻や幕の質感、照明の金属光を切り取ると“明治の華”が写る。赤や金の色は白飛びしやすいので露出は控えめが安全。客席の曲線を斜めに走らせると奥行きが増し、舞台袖の暗さを残すと臨場感が出る。曇天でも室内光が柔らかく、夜は暖色の灯りが似合う。階段や天井の装飾を寄りで拾うと一気に“芝居小屋感”が増す。入口から見上げる一枚も忘れずに。開演前の静けさも撮りたい。