起雲閣

熱海の名邸として知られる起雲閣は、大正〜昭和の和洋折衷が部屋ごとに表情を変え、撮るほどに“建築の物語”が増える場所。廊下の消失点、欄間の影、ステンドグラスの色、磨かれた床の反射を意識すると写真が締まります。午前の柔光は室内の階調が出やすく、夕方の斜光は陰影がドラマに。庭園は新緑と紅葉が特に美しく、窓枠を額縁にして前ボケを添えると季節感が出ます。雨の日は外光が均一で木目や漆喰の質感がしっとり写り、手すりや照明を入れたスナップも映えます。広角で空間、標準でディテール、最後に階段を縦位置で押さえると一連のカットが揃います。