智満寺

智満寺は里山の斜面に抱かれた古寺で、山門から本堂へ続く石段と杉木立が素直なリーディングラインを作ります。春は山桜と新緑、梅雨は苔と濡れた石、夏は深い木陰、秋は紅葉と落ち葉、冬は枯れ色と澄んだ空気がそれぞれトーンを変えます。35mm前後で参道の奥行きを押さえ、70〜135mmで仏像や木彫、鐘楼のシルエットを寄りで撮ると“山寺の時間”がじんわり伝わります。曇天の日は彩度控えめの現像がよく似合い、石段途中から見下ろす構図も効くので、登りと下りで視点を変えて撮り比べたい寺です。脇に並ぶ小さな石仏はマクロ寄りで苔やひび割れを拾うとシリーズの良いアクセントになります。