森岳寺

三種町森岳の森岳寺は、温泉街に隣接しながら境内に入ると一気に音が遠のく曹洞宗寺院。山門から本堂へ続く石畳は自然なリード線になり、広角で奥行きと空の抜けを生かした構図が決まりやすい。墓地側には古い石碑や地蔵が点在し、苔の乗った文字や割れ目を中望遠で切り取ると渋い一枚に。早春は残雪と梅、春は桜と若葉、夏は濃い木陰と入道雲、秋は落ち葉の絨毯、冬は湯けむり越しの伽藍と、同じアングルでも季節ごとに表情ががらりと変わる。温泉街の煙突を背景に入れると旅情も増す。駅から徒歩でアクセスしやすいので、列車スナップと組み合わせて「温泉と寺」を一本のストーリーにまとめるのもおすすめだ。