長谷の棚田

能勢町の山間に広がる長谷の棚田は、大小約700枚の石積み水田が階段状に連なり、日本の原風景を残す機械化困難地。早苗の時期は水鏡に映る雲と夕日、夏は深い緑と稲の穂、秋は黄金色の稲穂が層を成し、季節ごとに水平線のない抽象的なラインが生まれる。望遠で圧縮するとリズム感が強調され、ドローンを使えば幾何学的模様が際立つ。夕刻の農家の灯りと残照を組み合わせると温かな集落の息遣いも表現できる。棚田を縫う畦道に三脚を据え、三線構図で稜線と田面を分けると奥行きが強調され、風に揺れる稲穂を被写体ブレさせれば動きも加えられる。