久保稲荷神社

小さな境内に朱の鳥居や狐像がぎゅっと詰まった、散歩ついでに寄れる稲荷。広角は鳥居のトンネル感を強調し、標準は奉納提灯や絵馬の文字で“願いの密度”を写すのが楽しい。初午の頃は赤が増えて賑わい、夕方は朱が深く沈んでしっとり。雨上がりは石畳が光り、手水の水滴が宝石みたいに写る。人が少ない朝は静物撮りに最適で、望遠で鈴緒の繊維や狐の目を切り取ると一気に渋くなる。参拝後に周辺の街スナップを添えると、生活の中の信仰が一連でまとまる。春は新緑、夏は深い木陰でコントラストが強く、冬は空気が澄んで輪郭がキレる。鳥居を前ボケに入れると奥行きも出る。