佛光寺

四条烏丸から歩ける街中の大寺で、門前の生活感と広い境内の静けさの対比が楽しい。春は淡い若葉、梅雨は濡れた石畳、秋は大銀杏が黄の天蓋になり、落ち葉の絨毯を広角で面として捉えるだけで画が完成する。縦構図で山門を額縁にして本堂を覗くと、奥行きがすっと伸びる。標準は本堂と石畳を端正に、50〜100mmで灯籠の刻字や線香の煙、絵馬の文字を切り取ると締まる。朝は人が少なく影が長い、夕方は暖色の斜光で木目がしっとり。雨上がりは反射が効くのでローアングルが強い。賑わう日は1/10秒前後で人を流し、提灯の玉ボケを足せば“京都の寺スナップ”が一段粋になる。