阿野一里塚（国指定史跡）

旧街道の脇に残る一里塚は、土の盛り上がりと古木の存在感が“旅の目印”としてフレームを支える。春は芽吹き、夏は木陰の濃淡、秋は落ち葉が塚の輪郭をなぞり、冬は枝ぶりが線の美しさを見せる。広角で道の消失点と塚を一緒に入れると物語が生まれ、標準〜望遠で樹皮の割れや土のひび、苔の粒に寄れば質感勝負に。夕方の斜光は起伏を彫り、雨上がりは土色が締まって立体感が増す。車道が近い場合は長秒で車を流すと静けさが戻る。標識や電線は角度で外し、余白を大きめに取ると端正にまとまる。枝葉が揺れる日は1/15秒前後で少し流すと空気が写る。道標や影を前景に置くと旅情が濃くなる。