不動尊の乳銀杏

不動尊の乳銀杏は、幹から垂れる乳状の気根が強烈な個性を放つ古木。紅葉期は黄金の葉と乳の陰影が重なり、広角で全景を押さえつつ中望遠で乳の列や幹肌を切り取ると物語性が出ます。曇天や雨上がりは階調が豊かで、落ち葉の絨毯を俯瞰で狙うのもおすすめ。夕方の逆光は葉が透けて柔らかく、シルエット表現も効きます。足元から見上げ、乳・幹・枝ぶりの三層を整理すると、ただの紅葉写真で終わらない“異形の美”が写せます。葉が散った後も乳の造形は残るので、冬枯れの質感写真としても狙い目です。乳の影が落ちる位置を探して、陰影のリズムで見せると格好良くまとまります。