薬師の滝

薬師の滝は、山中の薬師堂を背に白い一条の水が落ちる信仰の滝で、小ぶりながら厳かな雰囲気が漂います。春は山桜と新緑、夏は木漏れ日とひんやりしたミスト、秋は紅葉が額縁となり、冬は氷紋や氷柱が細かな線を描きます。広角で石段や祠を前景に滝を小さく配置すると、物語性のある画にまとまり、中望遠で水の筋と苔むした岩だけを切り取れば抽象的な一枚に。PLとNDで反射と流れを整え、曇天の柔らかな光を選べば、和歌山の山里らしいしっとりしたトーンに仕上がります。参道の石段や苔むした手すりを導線に使い、縦位置でまとめると画面に奥行きが生まれ、静かな祈りの時間まで写し込めます。