要害山

福島県只見町の要害山は標高800m級、山頂にテレビ塔が立つ里山ながら、雪崩地形やブナ林、日本海側の植生を一度に味わえるコンパクトなフィールドです。尾根筋にはキタゴヨウやミヤマナラが並び、春にはイワウチワやユキツバキ、ヒメサユリが次々と咲き変わり、足元の花と只見の町並み、残雪の山々を重ねた構図が狙えます。かつて山城が置かれた歴史もあり、新緑や紅葉シーズンに通えば、静かな山の気配と里の暮らしを併せて写し取れる一座です。残雪期には周囲の山々がまだ真っ白ななか、芽吹き始めたブナ林が柔らかいグラデーションを見せ、低山とは思えないダイナミックな山岳風景を切り取ることができます。