国王山

国王山は古座川町にそびえる標高271mの低山で、南朝の祖先が住み着いたと伝わる歴史ロマンに包まれたピーク。林道終点から短時間で登頂でき、山頂付近からは古座川の谷と重畳する山々、その先に熊野灘の青さも望める。春は新緑、梅雨時はガスが谷を埋め、夏は深い緑と入道雲、秋は雑木の紅葉が斜面を彩る。広角で尾根と空をのびやかに入れ、前景に岩や祠を添えれば、里の信仰と山の景色が一体となった構図に。望遠では川筋のカーブや山並みのレイヤーを圧縮し、紀伊の深い森の奥行きを表現できる。