京ヶ倉

京ヶ倉は長野県生坂村にそびえる標高1000m弱の岩山で、安曇野側から見ると鋭い岩壁が連なる姿が印象的。登山道には痩せ尾根の「馬の背」や小さな岩場があり、ほどよいスリルと高度感を楽しめる。稜線に出ると北アルプスの爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳から安曇野の田園まで一望でき、西側の大パノラマは特に壮観。春は新緑やイワカガミ、秋は紅葉と澄んだ空気が魅力で、岩稜を前景に広角で空の量感を強調したい。望遠では犀川と棚田のパターンを圧縮し、夕方は山影と街の灯を絡めて立体感のある一枚に仕上げよう。コンパクトな山域ながら被写体が多く、短時間の山行で岩稜とパノラマ、里の風景まで一気に撮り切れる満足度の高いフィールドだ。