鷲鞍岳

鷲鞍岳は若狭の海と湖沼を見下ろす穏やかな稜線が魅力。春は山桜が稜線を彩り、初夏は新緑が水面の青を引き立てる。夏は積雲が湧き、夕立後に霧が谷から立ちのぼる。秋は紅葉と湖の反射が柔らかい階調を生み、冬は澄んだ空気で遠望が冴える。稜線上では望遠で重なる峰を圧縮し、手前にススキや低木を入れて季節感を強調。穏やかな風の朝は湖面の映り込みが狙い目。海霧が差す日は丘陵が幾重にも重なり、トーンの移ろいが繊細に描ける。PLで反射を整え、斜光の帯が走る瞬間を拾えば、水と森の境界が立体的に浮かぶ。夕暮れは海に金の道が生まれ、船影が静かな動きを添える。