渋温泉の街並

木造旅館が肩を寄せる細い路地と石畳、軒先の灯りが“昭和の温泉情緒”を作る渋温泉。外湯めぐりの九つの湯の札や判子帳、湯上がりの浴衣姿が自然に被写体になります。雪の季節は提灯の赤が白に刺さり、雨の日も路面反射で色が深い。広角で路地の消失点と湯気、標準で暖簾・格子窓・下駄をスナップ、望遠で湯面の蒸気や手ぬぐいの質感を切り取ると温度まで写る。夜は三脚で低ISO、NDがあれば人の流れを少し溶かして“時間の層”を足す。金具屋など歴史宿の外観は縦構図が映えます。早朝の静けさと湯けむりが重なる瞬間は、シャッターを切る手が止まりません。