鰊御殿とまり

鰊御殿とまりは、北海道の鰊漁最盛期を伝える豪壮な番屋で、海を背にした長大な木造建築が圧巻の存在感です。外観は広角で番屋と海、空を大きく入れ、前景に石垣や網を置くと漁場の匂いが立ち上がります。内部では大広間の梁や板間、船板で作られた家具を中望遠で切り取り、窓越しの日本海をぼかして背景に入れると、“海と共にあった暮らし”が写せます。荒天前後は雲と波がドラマを足し、曇天や雪の日は木の階調が粘るので、モノクロ仕上げもよく似合う場所です。