旧岸名家

旧岸名家は、越前の農村に残る茅葺き民家で、深い庇と黒い板壁が周囲の田畑や山から浮かび上がるように佇みます。外観は広角で家と畑、背後の里山をまとめ、季節の作物や薪を前景に置くと生活感がにじみます。室内では囲炉裏の煙や煤けた梁を中望遠で切り取り、障子越しの光を逆光気味に使うと時間の層がそのまま写真になります。霧や雪の日は特に雰囲気が良く、環境カットとディテールを揃えれば“越前の暮らし”を語るページが作れます。人物をワンポイントに置けば、古民家のスケール感も分かりやすくなり、旅企画の一見開きとしても使える力のある被写体です。