旧新井家住宅

旧新井家住宅は、商家と農家の要素を併せ持つ大型民家で、長い瓦屋根と広い土間が特徴。通りから斜めに構えれば、格子戸と白壁、屋敷林がつくる水平線が自然に画面を走る。室内では囲炉裏や梁を逆光で捉え、障子越しの光で生活道具の質感を浮かび上がらせたい。季節ごとに庭の緑や雪が変化し、一軒の家で年間を通じた撮影が楽しめる。人物を小さく入れれば、今も暮らしが続くような温度も写真に宿る。　土間から座敷越しに庭を眺める“二重の額縁構図”もおすすめで、内と外の距離感が自然に伝わる。古民家撮影の練習にも最適な一軒で、光の向きや露出を変えながら一日じっくり向き合いたい場所だ。