南部曲り家（千葉家）

南部曲り家（千葉家）は、母屋と馬屋が直角に連なる独特のＬ字型平面が特徴で、正面から見るだけでその形がよく分かる民家です。茅葺き屋根の重なりと低い軒、前庭の畑や雪面を広角でまとめれば、雪国の時間が一枚に凝縮されます。室内では囲炉裏の煙や黒光りした梁を逆光で捉えたいところ。馬屋側の扉や木製の道具をクローズアップすると、暮らしのリアルな温度が伝わります。冬の朝、屋根から落ちるつららや囲炉裏の煙を逆光で狙えば、東北の厳しい寒さとぬくもりが同時に伝わります。春から秋にかけては馬屋前の畑や花を前景に入れ、人物を小さく添えることで、農家の暮らしが今も続いているかのような写真表現が楽しめます。