東慶寺

北鎌倉の東慶寺は、かつて花と苔の寺として人気でしたが、現在は境内の撮影が全面禁止で、カメラを構えられるのは山門や参道までです。そのぶん、レンズを通さずに庭や本堂を“目で味わう”時間が生まれ、帰り道に駅までの路地や線路沿いの緑を撮ると、心に残った静けさが自然と写真ににじみます。山門前の石段や苔むした石垣、季節の花だけでも十分に絵になり、雨の日は傘とレールの光が北鎌倉らしい余韻を作るので、“撮るより感じる”寄り道として覚えておきたいお寺です。昼と夕方、晴れと雨で通い分けると、同じ構図でもまったく違う表情が撮れるので、時間帯を変えて何度か訪れてみたいスポットです。