報恩寺

盛岡・北山の報恩寺は、羅漢堂にひしめく五百羅漢（現存499体）が圧巻。1730年代に京都の仏師が彫り上げた像は、居眠り顔から鋭い眼差しまで表情が人間くさく、望遠で一体ずつ切り取るだけで“物語”になる。堂内は暗めなので高感度＋手ぶれ補正が心強く、斜めから光を拾って漆と金箔の艶を出したい。周囲をぐるりと囲む配置は広角で没入感が出る。天井の竜図や土蔵造りの空気も合わせれば、陰影が主役の一枚に。境内は新緑と紅葉が美しく、雨の日は石畳が黒く締まって渋さが増す。冬は空気が凛とし、門前の雪と合わせるとさらにドラマが出る。