水潜寺

秩父札所三十四番で、百観音の結願寺として“巡礼の終点”の達成感が漂う水潜寺。崖下には水くぐりの岩屋があると伝わり（現在は非公開）、境内には湧水の「延命水」があり、滴や水面反射が撮影の名脇役になる。春は新緑、梅雨は苔が最高潮、秋は曼珠沙華や落葉が石段に彩りを添え、冬は静けさが増す。百観音のお砂踏みは足元のリズムが絵になり、広角で参道の導線を、望遠で水鉢や札の質感を切り取ると“結願の物語”が締まる。雨上がりは濡れた石が黒く締まり、モノクロも相性良し。人を小さく入れると巡礼路のスケールが伝わる。早朝が狙い目。