寺谷大仏

寺谷大仏は、巨像のスケールそのものが被写体。まずは広角で足元から見上げ、周囲の木立や空を入れて“大きさ”を素直に伝えるのが王道だ。次に中望遠で顔や手元を切り取り、陰影と表情を丁寧に。春は新緑が背景を柔らかくし、夏は入道雲で立体感、秋は落ち着いた光で質感が増す。夕方の逆光は輪郭が光り、少しアンダーにすると像がぐっと締まる。雨上がりは水滴と濡れた石が渋く、夜は三脚で星や月を添えると“静かな迫力”が出る。人物を点景に入れると一目で縮尺が分かり、背景の抜けが良い朝は輪郭が最もクリア。モノクロにすると面の強さが際立つ。