川住行教の墓所

川住行教の墓所(東京)は、派手な建築より石の時間を撮る場所。朝の柔光や曇天で刻字の陰影が滑らかに出て、雨上がりは濡れた石が黒く締まり立体感が増す。50〜135mmで墓標の直線を整え、マクロで苔の粒・水滴・線香立ての煤を拾うと“生の痕跡”が写る。背景のビルや車は開放で溶かし、花と線香の色を一点だけ残すと静けさが強い。秋は落ち葉が前景を整え、冬は空気が澄んで文字がくっきり。撮影は礼節を守り、長居せず静音で。モノクロにすると石と影の階調がさらに気持ちいい。斜光の時間は刻字が最も浮き、ハイライトが飛ばないよう露出は控えめに。