滝沢馬琴筆塚

谷中近くの青雲寺境内に立つ滝沢馬琴の筆塚は、『南総里見八犬伝』の筆の功をたたえる石碑で、そばに硯形の「硯塚」も並ぶ“文豪スナップ”好適地。春は若葉が背景を柔らかくし、秋は紅葉が石のグレーに色を添える。朝の斜光は刻字の影が出て読みやすく、雨上がりは濡れた石が黒く締まって渋い。50mm前後で筆塚と硯塚を対比させ、寄りでは欠けや苔、刻字のエッジを丁寧に。少し引いて本堂や燈籠を入れると“書く時間”の空気が写り、夜は境内灯を玉ボケにして余韻を足せます。石段の反復を前景にすると奥行きが作れます。モノクロ仕上げも相性抜群。