安養寺の甲辛（庚申）供養塔

安養寺の庚申供養塔は、刻字や像の情報量が多く、石の“面”をどう読ませるかが勝負。朝夕の斜光で彫りの影を起こし、標準〜中望遠で起伏を丁寧に拾うと立体感が出ます。マクロがあれば梵字、欠け、苔の粒まで作品にでき、雨上がりは濡れた石肌が渋く輝きます。香炉や石灯籠を前景にぼかせば、寺の空気も一緒に写り込み、背景整理もしやすい。色を盛るより階調と質感でまとめると“信仰の時間”が伝わる一枚になります。背景が散らかるときは黒い影を探してそこに像を重ねると締まります。夕方の静かな時間に、手元の文字から全景へ寄り引きを揃えると完成度が上がります。