吉見百穴

吉見百穴は、丘の斜面に無数の横穴が蜂の巣状に穿たれた横穴墓群で、近づくほど“穴の反復”と陰影のグラデーションに吸い込まれます。曇天や夕方の斜光が立体感を出しやすく、16-35mmで崖全体の曲線と穴の波を押さえ、70-200mmで苔むす壁面や穴の奥の黒を切り取ると一気に作品化。冬は下草が枯れて形が際立ち、雨上がりは岩肌が黒く締まって質感が最高潮です。人物を小さく入れてスケールを出しつつ、立入制限や足場に注意して“光の当たり方”で同じ面を撮り比べるのがコツ。春は新緑が穴の縁を縁取り、露出は白い岩肌に合わせて少しアンダーにすると黒が締まります。