九戸城跡

深い堀と石垣が遺る城跡で、土と石が作る曲線が美しい場所です。堀底から見上げると石の立ち上がりが強調され、広角で空まで抜くと迫力が出ます。春は新緑、秋は草紅葉と落葉が堀を染め、冬は雪で形がミニマルに。望遠で積み目や水面の反射を圧縮すると落ち着いた作品にまとまります。曇天は階調が豊かで石の表情を出しやすい条件。堀端のカーブをリードラインにして人物を点で置くと奥行きとスケールが整い、石の冷たさと自然の柔らかさが同居します。季節の光を選ぶなら、春の柔らかい曇天が一番ディテールが残ります。水辺の草や葦を前景に置くと、堀の深さがより際立ちます。