山田牧場の水芭蕉

山田牧場の水芭蕉は、放牧地近くの湿地に群生する高原の春の主役で、雪解け水が残る泥炭地に白い苞が点々と浮かび上がります。木道や草道から俯瞰すれば、水面と草の模様の中に水芭蕉がリズミカルに並び、パターンを意識した構図が楽しめます。一株に寄るならマクロで苞のカーブと葉の瑞々しさを丁寧に描写し、背景にはまだ芽吹ききらない白樺林を柔らかくぼかすと、ひんやりとした信州の空気感まで伝わる一枚になります。足元に残る雪や水たまりも前景に入れると、季節の移ろいがよりわかりやすく写し込めます。長靴と防寒着を用意して、じっくり腰を据えて向き合いたい被写体です。