野岳イヌツゲ群落

野岳イヌツゲ群落は、雲仙・島原半島の野岳山頂付近に広がる国指定天然記念物で、本来は低木のイヌツゲが樹高6m、幹周20cmにまで成長し、独特の林相をつくっています。常緑の濃い葉と、周囲に点在するミヤマキリシマやシロドウダンの彩りが重なる初夏は、霧が出ると幻想的な森のポートレートが撮れる好機。斜面に連なるイヌツゲのシルエットを望遠で圧縮すると、パターンのような抽象的風景になり、足元の苔や岩を前景に入れれば、火山地形と高原植物が共存する雲仙らしいスケール感を表現できます。標高800m前後の急斜面に位置するため、雲の流れが速く光が刻々と変わり、短時間のうちに表情の異なるカットを量産できるのも魅力です。