ハマギク

岩手沿岸の海岸線では、秋になると切り立った崖や岩場に純白のハマギクが咲き、荒々しい三陸の海と対照的な可憐さを見せてくれます。ハマギクは青森県から茨城県までの太平洋岸に自生する日本固有種で、直径6cmほどの大きな白い花をつける野生ギクとして知られています。潮風や飛沫をまともに受ける崖の亀裂に根を張り、強風に揺られながらも花弁を散らさない姿は、まさに「逆境に立ち向かう」という花言葉通り。高台の遊歩道や岬の展望地から望遠で群落を切り取れば、青い海と白い花、岩肌のテクスチャーが織りなす力強い一枚になります。