福寿草

青森の福寿草は、残雪の残る山里や海沿いの斜面にいち早く春を告げる野草で、まだ枯れ草色の斜面に黄金色の花が点々と灯るように咲きます。低い位置から逆光気味に狙うと、半透明の花びらが光を透かして輝き、背景の雪面や日本海の青がやわらかなボケとして溶け込みます。望遠で群生を圧縮すれば、斜面に散る光の粒のような画面に仕上がり、単焦点マクロで一輪に寄れば、花芯のディテールまで丁寧に描写できます。足場の悪い場所も多いので、三脚よりも軽快な手持ち撮影で、斜面の安全を確認しながら構図を探したい被写体です。雪割り直後のタイミングなら、冬と春の境目を象徴するようなドラマチックな一枚が狙えます。