
【2026年版】Canon EOS R3のレビュー比較まとめ|スポーツ・報道向けの連写・AF・画質を解説






Canon EOS R3は、スポーツ、報道、野生動物など、動きの速い被写体を撮影するプロやハイアマチュア向けのフルサイズミラーレスカメラです。キヤノンのEOSシリーズで初めてフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーを採用し、高速連続撮影と被写体追尾に対応しています。さらに、縦位置グリップ一体型ボディーと有線LAN端子を備え、撮影した画像を本体からFTPサーバーへ転送可能です。この記事では、連続撮影、AF、画質、動画、手ブレ補正、通信機能を項目別に取り上げ、どのような撮影者に向くのか、現行モデルと何が異なるのかを解説します。
この記事のサマリー

電子シャッターでは、AF・AE追従で最高約30コマ/秒の連続撮影が可能です。また、Eye Control AFを使うと、ファインダー内の視線位置から追尾を始める被写体を選択できます。

有効画素数は最大約2410万画素で、最大記録サイズは6000×4000ピクセルです。そのため、45MP〜50MP級の機種と比べると、大きくトリミングした後に残る画素数は少なくなります。

動画は6K RAWで最大59.94fpsに対応。さらに、ハイフレームレート撮影では4K最大119.88fps、FHD最大239.76fpsを選択できます。なお、FHD最大239.76fpsを利用するには、ファームウェアVersion 1.2.1以降が必要です。

記録メディアは、CFexpress Type BとSD UHS-IIのデュアルスロット構成です。通信機能として、有線LAN、2.4GHz・5GHz Wi-Fi、Bluetoothも搭載しています。

EOS R3は、キヤノンの商品ページで販売終了製品として案内されています。ただし、2026年7月31日時点のキヤノンオンラインショップでは、792,000円(税込)で「在庫限り」の販売が続いています。
Canon EOS R3のレビュー要点

Canon EOS R3は、動体撮影に対応する連続撮影性能に加え、縦位置での操作や撮影後の画像転送も想定したカメラです。ここでは、最大約2410万画素の解像度、本体の大きさ、Eye Control AFの使用感をもとに、おすすめな人と不向きな人を整理します。
おすすめな人
Canon EOS R3は、スポーツ、報道、モータースポーツ、舞台、野生動物など、撮り直しが難しい場面を撮影する機会が多い人に向いています。
電子シャッターの高速連続撮影と被写体検出AFを組み合わせることで、選手の表情や動物の姿勢が短時間で変わる様子を連続して記録できます。加えて、縦位置グリップが本体に組み込まれているため、横構図と縦構図を頻繁に切り替える撮影でも主要な操作を続けやすい設計です。
さらに、有線LAN端子を本体に備えており、撮影した画像をネットワーク経由でFTPサーバーへ転送できます。縦位置用の操作部と有線LANを追加アクセサリーなしで使いたい人には、選択肢のひとつとなるでしょう。
不向きな人
風景、建築、商品撮影などで細部を大きく表示・印刷する人や、撮影後に大幅なトリミングを行う人は、45MP〜50MP級の機種も比較対象になります。EOS R3の最大記録サイズは6000×4000ピクセルのため、同じ範囲を切り抜くと、高画素機より完成画像に残る画素数が少なくなります。
また、本体重量はバッテリーとカードを含めて約1015gあります。縦位置グリップを取り外せないので、旅行、街歩き、登山などで機材を小さくまとめたい人は、実際に持ったときの重さやカメラバッグへの収まり方を確認しましょう。
加えて、Eye Control AFの認識状態は、目の状態、メガネ、コンタクトレンズ、ファインダーののぞき方などによって変わります。この機能を主な購入理由にする場合は、店頭で実機を使い、キャリブレーション後に視線でAF位置を選べるか試しておきたいところです。
要素別レビュー早見表

Canon EOS R3の特徴と、購入前に確認したい点を表にまとめました。
要素 | 特徴と確認点 |
|---|---|
製品コンセプト | スポーツや報道などの動体撮影に加え、縦位置操作と撮影後の画像転送まで想定したモデル |
画質 | 最大6000×4000ピクセルで記録。大きくトリミングする用途では、45MP級の機種より残る画素数が少ない |
高感度 | 静止画の常用ISO感度は100〜102400。使用できる画質の範囲は、露出、現像方法、納品サイズによって変わる |
AF | 人物、動物、乗り物の検出に対応。Eye Control AFは静止画撮影時のみ使用できる |
連続撮影 | 通常の電子シャッター連写はAF・AE追従で最高約30コマ/秒。カスタム高速連続撮影ではAF・AEが1枚目に固定される |
動画 | 6K RAW最大59.94fpsに対応。4K最大119.88fpsとFHD最大239.76fpsはハイフレームレート撮影となり、音声は記録されない |
手ブレ補正 | 対応レンズとの組み合わせで最大8.0段。動いている人物や選手の被写体ブレは、シャッタースピードで調整する |
操作性 | 縦位置グリップ一体型で、横位置と縦位置の両方に主要な操作部を配置。本体重量は約1015g |
通信 | 1000BASE-T対応有線LAN、2.4GHz・5GHz Wi-Fi、Bluetoothを本体に搭載 |
Canon EOS R3の基本情報

Canon EOS R3は、2021年11月27日に発売されたRFマウントのフルサイズミラーレスカメラです。フルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーと映像エンジンDIGIC Xを搭載し、静止画の有効画素数は最大約2410万画素となっています。
記録メディアは、CFexpress Type BとSD UHS-IIを各1枚使用するデュアルスロット構成です。2枚のカードへの同時記録や、RAWとJPEGの振り分け記録を利用する場合は、両方のカードを用意してください。
なお、6K RAWや4K最大119.88fpsなど、データ量の多い動画はCFexpress Type Bへ記録します。必要な書き込み速度は動画の設定によって異なるため、購入前にカードの仕様も確認しましょう。
項目 | 値 |
|---|---|
センサー | フルサイズ裏面照射積層CMOSセンサー |
有効画素数 | 最大約2410万画素 |
記録画素数 | 最大6000×4000ピクセル |
ISO感度(静止画) | 常用ISO 100〜102400、拡張ISO 50相当・204800相当 |
AF | デュアルピクセルCMOS AF II |
測距輝度範囲 | EV -7.5〜20(条件あり) |
連続撮影(電子シャッター) | 高速連続撮影+で最高約30コマ/秒 |
連続撮影(メカシャッター・電子先幕) | 高速連続撮影+で最高約12コマ/秒 |
カスタム高速連続撮影 | 電子シャッターで最高約195コマ/秒、最大50枚。AF・AEは1枚目に固定(Version 1.2.1以降) |
動画 | 6K RAW最大59.94fps。ハイフレームレート撮影は4K最大119.88fps、FHD最大239.76fps。FHD最大239.76fpsはVersion 1.2.1以降 |
手ブレ補正 | ボディー内手ブレ補正を搭載。対応RFレンズとの協調制御で最大8.0段(条件あり) |
EVF | 0.5型OLED、約576万ドット、表示フレームレート最高119.88fps |
背面モニター | 3.2型バリアングル、約415万ドット |
メディア | CFexpress Type B(VPG400対応)×1、SD UHS-II×1 |
通信 | 1000BASE-T対応有線LAN、2.4GHz・5GHz Wi-Fi、Bluetooth、USB Type-C |
バッテリー | LP-E19 |
撮影可能枚数 | ファインダー約620枚、モニター約860枚(省電力優先・CIPA準拠) |
本体サイズ | 約150.0×142.6×87.2mm |
重量 | 約1015g(バッテリー、カードを含む) |
価格 | 792,000円(税込) |
※価格は、2026年7月31日時点の公式通販サイトでの販売価格です。
※測距輝度範囲EV -7.5は、F1.2レンズ、中央測距点、ワンショットAF、ISO100、常温などの条件で測定された数値です。
※手ブレ補正の最大8.0段は、対応するRFレンズを装着した場合の測定値です。使用するレンズや焦点距離によって補正段数が異なります。
販売状況と後継機の有無
キヤノンの商品ページでは、EOS R3は「販売終了」と案内されています。ただし、2026年7月31日時点のキヤノンオンラインショップでは、792,000円(税込)で「在庫限り」の販売が続いています。
また、同日時点のキヤノン国内製品一覧に「EOS R3 Mark II」の掲載はありません。直接の後継機として同名の新モデルは発表されていないため、新品を選ぶ際はEOS R1やEOS R5 Mark IIとの違いも確認してください。
Canon EOS R3のデザインと操作性のレビュー

Canon EOS R3は、縦位置グリップを本体に組み込んだフルサイズミラーレスカメラです。本体の高さは約142.6mmあり、バッテリーとカードを含む重量は約1015gとなっています。
小型機のような携帯性ではなく、大口径の望遠レンズを装着した状態での保持や、縦構図へ持ち替えた後の操作を重視した形状です。
縦位置グリップ一体型は望遠撮影に向く
バスケットボール、バレーボール、陸上競技、ポートレートなどでは、横構図と縦構図を短時間で切り替える場面があります。EOS R3は縦位置側にもシャッターボタン、メイン電子ダイヤル、AFスタートボタン、マルチコントローラーなどを備えており、持ち替えた後も右手で主要な操作を続けられます。
そのため、望遠レンズを支える左手の位置を大きく動かさず、構図だけを切り替えやすくなっています。ただし、縦位置グリップは取り外せません。
標準ズームや単焦点レンズを装着した場合も本体の高さは変わらないので、旅行や街歩きではバッグの選択に影響します。購入前に、約142.6mmのボディー高と使用予定のレンズを収められるか確認しましょう。
Eye Control AFは視線でAF位置を選べる
Eye Control AFは、ファインダー内で撮影者が見ている位置を検出し、AFフレームやAFエリアを移動する機能です。視線で選んだ位置でAFが始まり、[被写体追尾(トラッキング)]を有効にしている場合は、その位置で被写体を捉えて追尾を開始します。
複数の選手や動物が画面内にいる場面では、撮影したい対象を指定する方法のひとつとして利用できます。また、視線入力のほかに、マルチコントローラーやスマートコントローラーでもAF位置を選択可能です。
Eye Control AFは静止画撮影時のみ対応しており、動画では使用できません。使用前にはキャリブレーションが必要で、調整データは最大6件まで登録できます。
なお、メガネやコンタクトレンズ、目の状態、ファインダーののぞき方、周囲の環境によっては視線を検出できない場合があります。反応しにくいときはキャリブレーションをやり直すか、別の操作部へ切り替えてください。
DPReviewのスポーツ撮影テストでも、Eye Control AFで被写体を指定した後に、被写体検出AFへ追尾を引き継ぐ使い方が試されています。視線を動かし続けてピントを合わせる機能ではないため、AF枠の移動と被写体追尾を分けて考えると理解しやすいでしょう。
Canon EOS R3の画質とデータ量

Canon EOS R3の有効画素数は最大約2410万画素で、最大記録サイズは6000×4000ピクセルです。Web掲載、新聞、雑誌、一般的なプリントなど幅広い用途に使える画素数ですが、切り抜く範囲が広い撮影では高画素機との差が出ます。
トリミング量と納品サイズを確認する
遠くの野鳥や航空機、競技場の反対側にいる選手を撮る場合は、撮影後に画像の一部を切り抜くことがあります。EOS R3では、切り抜く範囲が狭くなるほど完成画像の縦横ピクセル数も減少します。
そのため、被写体を画面内にどの程度の大きさで写せるか、納品先が求める画像サイズを残せるかが選択のポイントです。大幅なトリミングを前提とするなら、EOS R5 Mark IIやNikon Z9などの高画素機も比較しましょう。
約2410万画素の積層センサーとデータ処理
積層型センサーは、撮像部分と信号処理回路を重ねた構造を採用し、画像信号を高速で読み出します。EOS R3では、この高速読み出しが電子シャッター連写やAF・AE追従、ローリングシャッター歪みの抑制に関わっています。
電子シャッターの高速連続撮影中は、2枚目以降のファインダー像をブラックアウトさせずに表示できます。ただし、内蔵メモリーがいっぱいになった場合など、条件によっては一時的に暗転します。
また、同じ記録形式と圧縮設定で比べた場合、約2410万画素のRAWデータは45MP〜50MP級のRAWデータより容量が小さくなる傾向があります。大量の画像を扱うスポーツや報道では、カードの消費量、PCへの転送時間、保存先の容量にも関係する違いです。
実際のファイルサイズは、RAWとC-RAWの選択、被写体の細かさ、圧縮方式によって変わります。1回の撮影枚数と保存期間を踏まえ、必要なカード容量やストレージを準備しましょう。
高感度とJPEGの確認ポイント
静止画の常用ISO感度は100〜102400で、ISO 50相当と204800相当まで拡張できます。ただし、設定可能な上限と、撮影者が使用できると判断する画質の範囲は同じではありません。
屋内競技やナイターでは、被写体の動きを止めるためにシャッタースピードを上げると、ISO感度も高くなることがあります。ノイズの見え方は露出、使用レンズ、RAW現像の設定、画像の出力サイズによって変わるため、使用環境に近い作例を確認してください。
JPEGで撮影直後に画像を納品する場合は、会場の照明に合わせてホワイトバランスやピクチャースタイルを調整します。さらにRAWを同時記録しておけば、撮影後に明るさや色を修正するデータも残せます。
Canon EOS R3のAF性能(被写体検出・追尾)のレビュー

Canon EOS R3の被写体検出AFは、人物、動物、乗り物に対応しています。人物では顔や頭部を優先し、検出できない場合は胴体や体の一部を追尾する仕組みです。
動物では犬、猫、鳥を検出し、顔または全身へ追尾フレームを表示します。また、乗り物ではモータースポーツの四輪車や二輪車が対象です。
スポット検出を有効にすると、クルマやバイクの重要部位も検出対象になります。ただし、画面内に複数の候補がいる場合、撮影者が狙っている被写体を自動で選ぶとは限りません。
その際は、Eye Control AF、マルチコントローラー、スマートコントローラーなどで対象を指定します。追尾を開始した後も、AF枠が目的の被写体に重なっているか確認しましょう。
EV -7.5対応AFは測定条件を確認する
静止画撮影時の測距輝度範囲はEV -7.5〜20です。もっとも、EV -7.5はF1.2レンズ、中央測距点、ワンショットAF、ISO100、常温など、キヤノンが定めた条件で測定されています。
この数値は暗い場所での測距範囲を示すもので、動く被写体への追従性能をそのまま表す値ではありません。暗い体育館や夜間の競技では、サーボAFの設定、レンズの開放F値、被写体のコントラスト、照明の状態によってAFの動作が変わります。
本番で使用するレンズを装着し、撮影場所に近い明るさと距離で試しておきましょう。
登録人物優先で特定の人物を優先して検出できる
ファームウェアVersion 1.4.0以降では、事前に登録した人物をほかの人物より優先して検出する「登録人物優先」を利用できます。顔はカメラで撮影するほか、カード内のJPEGまたはHEIF画像からも登録可能です。
顔の角度や表情が登録画像と大きく異なる場合や、帽子、マスク、サングラスなどで顔の一部が隠れている場面では、検出精度が低下することがあります。また、顔が画面内で小さすぎる場合や、明暗差が大きい状況でも認識できないことがあります。
スポーツ撮影で使う場合は、本番に近い撮影距離、照明、顔の大きさで認識状態を確認してください。なお、顔の登録データはカメラ内に保存されるため、本人の同意を得るなど、個人情報の取り扱いにも配慮が必要です。
Canon EOS R3の連続撮影・電子シャッターのレビュー

Canon EOS R3には、高速連続撮影+、高速連続撮影、低速連続撮影、カスタム高速連続撮影が用意されています。モードごとに連写速度とAF・AEの動作が異なるため、撮影する動きに合わせて選択してください。
ドライブモード | シャッター方式 | 連続撮影速度 | AF・AE |
|---|---|---|---|
高速連続撮影+ | 電子シャッター | 最高約30コマ/秒 | 被写体に追従 |
高速連続撮影+ | メカシャッター・電子先幕 | 最高約12コマ/秒 | 被写体に追従 |
高速連続撮影 | 電子シャッター | 最高約15コマ/秒 | 被写体に追従 |
高速連続撮影 | 電子先幕 | 最高約8コマ/秒 | 被写体に追従 |
高速連続撮影 | メカシャッター | 最高約6コマ/秒 | 被写体に追従 |
低速連続撮影 | 全シャッター方式 | 最高約3コマ/秒 | 被写体に追従 |
カスタム高速連続撮影 | 電子シャッター | 最高約195コマ/秒、最大50枚 | 1枚目に固定 |
※連続撮影速度は、使用するレンズ、シャッタースピード、絞り、フリッカー低減処理、被写体の状態、撮影場所の明るさなどによって低下する場合があります。
最高約30コマ/秒と通常のドライブモード
高速連続撮影+では、電子シャッターでAF・AE追従の最高約30コマ/秒を記録できます。野球のインパクト、陸上競技のフィニッシュ、バレーボールのスパイクなど、短時間で姿勢や表情が変わる場面に対応するモードです。
ただし、最高速度を出すにはシャッタースピードやフリッカー低減処理などの条件があります。また、サーボAFによってピント位置が大きく変化した場合や、連写中にズーム操作を行った場合は速度が下がることがあります。
撮影後の選別枚数を抑えたい場合は、最高約15コマ/秒の高速連続撮影や、最高約3コマ/秒の低速連続撮影へ切り替えましょう。
カスタム高速連続撮影は最高約195コマ/秒・最大50枚
ファームウェアVersion 1.2.1以降では、電子シャッターによるカスタム高速連続撮影を利用できます。撮影速度は30、40、50、60、80、100、120、150、180、195コマ/秒の10段階で、撮影枚数は2〜50枚から設定可能です。
ただし、AFとAEは1枚目の撮影時に固定されます。シャッタースピード、絞り、ISO感度も連写中には変わりません。
そのため、カメラへ近づき続ける選手や飛び続ける鳥より、ゴルフクラブのインパクト、水しぶき、風船が割れる瞬間など、動作が起こる位置を予測できる撮影に向きます。撮影前にピント位置と露出を合わせ、被写体がその位置へ入るタイミングでシャッターを切ってください。
ローリングシャッター歪みとLED照明下の縞
EOS R3の電子シャッターは、センサーの画像信号を上から順番に読み出すローリングシャッター方式です。積層型センサーによって読み出し時間は短縮されていますが、全画素を同時に読み出すグローバルシャッター方式ではありません。
高速回転する物体を撮影した場合や、カメラを横方向へ速く振った場合は、直線が傾いたり被写体の形が変わったりする可能性があります。電子シャッターを使うときは、撮影画像を拡大して歪みの有無を確認しましょう。
また、LED照明やデジタルサイネージの下では、照明の点滅周期とシャッタースピードの組み合わせによって、縞模様や明るさのむらが写る場合があります。
高周波フリッカーレス撮影では、カメラがシャッタースピードを提示する自動検出と、画面を見ながら調整する手動設定を選択できます。複数の照明が混在する場所では十分に抑えられないこともあるため、本番前に試し撮りを行い、必要に応じてシャッタースピードやシャッター方式を変更してください。
Canon EOS R3の動画性能のレビュー(6K RAW・4Kハイフレームレート・熱)

Canon EOS R3は、6K RAWをCFexpress Type Bカードへ内部記録できます。6K RAWは最大59.94fpsに対応し、通常速度の音声付き動画として記録可能です。
また、ハイフレームレート撮影では、4K DCIと4K UHDで最大119.88fpsを選べます。ファームウェアVersion 1.2.1以降では、FHD最大239.76fpsも利用できます。
ハイフレームレート撮影は、記録した映像をスローモーションで再生するためのモードです。4K最大119.88fpsとFHD最大239.76fpsでは音声が記録されないため、通常の動画撮影と分けて考えてください。
6K RAWとハイフレームレート撮影の記録条件
6K RAWはRAW標準とRAW軽量から選べます。59.94fps・50.00fps時のビットレート(1秒あたりのデータ量)は、RAW標準が約2600Mbps、RAW軽量が約1800Mbpsです。
RAW標準の記録には、フレームレートを問わず400MB/秒以上の書き込み速度を持つCFexpress Type Bが必要です。RAW軽量では、59.94fps・50.00fpsで400MB/秒以上、29.97fps以下で200MB/秒以上が指定されています。
動画設定 | 最大フレームレート | 必要なカード書き込み速度 | 音声 |
|---|---|---|---|
6K RAW標準 | 59.94fps | 400MB/秒以上 | 記録可能 |
6K RAW軽量 | 59.94fps | 400MB/秒以上 | 記録可能 |
4Kハイフレームレート | 119.88fps | 400MB/秒以上 | 記録されない |
FHDハイフレームレート | 239.76fps | 200MB/秒以上 | 記録されない |
FHD最大239.76fpsのビットレートは約680Mbpsです。Canon Log 3またはHDR PQを有効にすると、約940Mbpsまで増加します。
高フレームレート動画や6K RAWは、短時間でもファイル容量が大きくなります。撮影時間に合わせてカード容量を計算し、PCの保存領域やバックアップ先も準備しましょう。
長時間記録は動画設定ごとに確認する
CameraLabsの実機テストでは、比較的暖かい室内で4K/25pを2時間12分32秒、1本のファイルとして記録しています。電源には1本のバッテリーを使用し、過熱による停止は発生しなかったと報告されています。
ただし、この結果は4K/25pでの検証です。6K RAWや4K最大119.88fpsは4K/25pよりデータ量が多く、カメラ内部の温度上昇も同じではありません。
長時間撮影を予定している場合は、使用するCFexpress Type Bカード、室温、電源、解像度、フレームレートを本番と同じ条件にそろえ、事前に連続記録時間を確認してください。
Canon EOS R3の手ブレ補正・低速撮影のレビュー
Canon EOS R3は、センサーシフト式のボディー内5軸手ブレ補正を搭載しています。対応するRFレンズの光学式手ブレ補正と協調し、レンズとの組み合わせによって最大8.0段の補正効果が示されています。
ただし、補正段数は使用するレンズ、焦点距離、構え方、シャッタースピードによって変わります。最大値だけで判断せず、装着するレンズごとの公称値も確認しましょう。
静止した被写体の低速撮影を補助する
手ブレ補正は、建物、室内、夜景、会場の様子など、動かない被写体を低速シャッターで撮影するときに、撮影者の手によるカメラの揺れを抑える機能です。三脚を設置できない場所では、ISO感度を上げずに撮影できる場合があります。
もっとも、手持ちで使用できるシャッタースピードは、レンズの焦点距離や撮影者の構え方によって異なります。撮影後は画像を拡大し、細部に手ブレがないか確認してください。
人物や選手が動いている場合、手ブレ補正だけでは被写体ブレを止められません。カメラの揺れと被写体の動きは別なので、動体撮影では被写体の速さに合ったシャッタースピードを設定します。
動画電子ISを使うと記録画角が狭くなる
動画撮影では、ボディー内手ブレ補正に加えて動画電子ISを利用できます。映像の周辺部を使って揺れを補正するため、有効にすると記録される範囲が狭くなります。
設定を「強」にすると、「入」より切り取られる範囲が広がります。歩き撮りで使用する場合は広角側に余裕のあるレンズを選び、撮影前に画角を確認しましょう。
なお、RAW動画の撮影中は動画電子ISを使用できません。また、動画電子ISは歩行中の上下動をすべてなくす機能ではないため、長い距離を移動しながら撮る場合は、ジンバルや三脚も選択肢になります。
Canon EOS R3のEVF・モニターのレビュー

Canon EOS R3は、0.5型OLED・約576万ドットの電子ビューファインダーと、3.2型・約415万ドットのバリアングルモニターを備えています。
ファインダー表示を「なめらかさ優先」に設定すると、最高119.88fpsで表示できます。動きの速い選手や野生動物を追う場合も、被写体の位置を見ながら構図を調整しやすい仕様です。
電子シャッターによる高速連続撮影では、2枚目以降をブラックアウトさせずに表示できます。ただし、内蔵メモリーがいっぱいになった場合など、撮影条件によっては一時的に暗転します。
OVFビューアシストで明暗差の大きい場面を見やすくする
OVFビューアシストは、光学ファインダーに近い見え方を再現する表示機能です。通常の電子ビューファインダー表示とは異なり、撮影画像の露出やピクチャースタイルをそのまま再現することを目的としていません。
逆光の競技場や照明の強い会場では、明るい部分と暗い部分の両方を見ながら被写体を追いたい場面があります。その場合はOVFビューアシストを選び、撮影結果の明るさや色を事前に見たいときは通常表示へ切り替えます。
3.2型・約415万ドットのバリアングルモニター
背面モニターは、画面を横へ開いて上下に回転できるバリアングル式です。ローアングル、ハイアングル、縦位置での動画撮影など、ファインダーをのぞきにくい姿勢で利用できます。
さらに、高速連続撮影した画像を1つのシーンとして扱う再生機能も搭載されています。連写した画像の先頭へ移動したり、シーン単位で消去したりできるため、撮影枚数が多い場合の確認や整理に役立ちます。
Canon EOS R3のバッテリー・通信機能のレビュー

Canon EOS R3は、LP-E19バッテリーを使用します。EOS-1D X Mark IIIやEOS R1でも採用されているため、これらの機種とバッテリーを共用できます。
CIPAガイドラインに基づく撮影可能枚数は、ファインダー撮影時が約620枚、モニター撮影時が約860枚です。測定条件は、常温、新品でフル充電したバッテリー、SDカード使用、省電力優先となっています。
連続撮影、画像確認、ネットワーク通信、動画撮影、気温、ファインダーの表示設定によって使用時間は変わります。長時間の撮影では予備のLP-E19も準備してください。
USB充電・給電には対応機器が必要
USB電源アダプターPD-E2は、カメラ内のLP-E19を充電できるほか、カメラへの給電にも対応しています。対して、PD-E1は本体内充電のみとなり、撮影中の給電には対応していません。
また、USB PDに対応するモバイルバッテリーからも充電と給電が可能です。ただし、すべてのUSB Type-C充電器、モバイルバッテリー、ケーブルでの動作が保証されているわけではありません。
外部電源を本番で使用する場合は、カメラ、電源、ケーブルの組み合わせを事前に確認しましょう。
有線LANと無線通信を撮影環境に合わせて選べる
Canon EOS R3は、10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-Tに対応する有線LAN端子を内蔵しています。スタジアムや会見場のネットワークへ接続すると、撮影した画像をFTPサーバーへ自動または手動で転送できます。
LANケーブルを使用できない場所では、2.4GHz・5GHz Wi-Fiでアクセスポイントやスマートフォンへ接続可能です。Bluetoothは、スマートフォンアプリ「Camera Connect」との接続やリモコン操作に利用できます。
そのほか、別売のワイヤレスリモートコントローラーBR-E1にも対応しています。集合写真、長秒露光、カメラから離れた位置での撮影など、直接シャッターボタンへ触れたくない場面で使用できます。
Canon EOS R3と現行の競合機を比較
Canon EOS R3を2026年に検討する場合、同じRFマウントのEOS R1とEOS R5 Mark IIに加え、動体撮影向けのSony α9 III、縦位置グリップ一体型のNikon Z9も比較候補です。
以下の表では、有効画素数、RAW記録時の代表的な連続撮影速度、本体形状、記録メディア、有線LANの違いを整理しました。
機種 | 有効画素数 | RAW記録時の代表的な連続撮影速度 | 本体形状 | 記録メディア | 有線LAN |
|---|---|---|---|---|---|
最大約2410万画素 | 電子シャッター最高約30コマ/秒 | 縦位置グリップ一体型 | CFexpress Type B×1、SD UHS-II×1 | 1000BASE-T対応・本体内蔵 | |
最大約2420万画素 | 電子シャッター最高約40コマ/秒 | 縦位置グリップ一体型 | CFexpress Type B×2 | 2.5GBASE-T対応・本体内蔵 | |
最大約4500万画素 | 電子シャッター最高約30コマ/秒 | 縦位置グリップは別売 | CFexpress Type B×1、SD UHS-II×1 | 別売のCF-R20EPまたはBG-R20EP装着時に2.5GBASE-T対応 | |
最大約2460万画素 | 電子シャッター最高約120コマ/秒 | 縦位置グリップは別売 | CFexpress Type A・SD対応マルチスロット×2 | 1000BASE-T対応・本体内蔵 | |
4571万画素 | 高速連続撮影で約20コマ/秒 | 縦位置グリップ一体型 | CFexpress Type B・XQD対応スロット×2 | 1000BASE-T対応・本体内蔵 |
※連続撮影速度は、使用するレンズ、記録形式、シャッタースピード、AF・AE設定、メモリーカードなどによって低下する場合があります。
※Nikon Z9のハイスピードフレームキャプチャー+では、C15、C30、C60、C120を選択できます。いずれもJPEG記録で、RAW対応の高速連続撮影とは記録形式、画像サイズ、撮像範囲などの条件が異なります。
EOS R3とEOS R1の違い
EOS R1は、EOS R3と同じ約2400万画素級で、電子シャッターの最高速度は約40コマ/秒です。連続撮影速度に加えて、AF、通信、画像処理などもEOS R3から更新されています。
記録メディアはCFexpress Type Bの2スロット構成です。同じ種類のカードによるバックアップ記録や振り分け記録ができ、有線LANはEOS R3の1000BASE-Tより高速な2.5GBASE-Tに対応します。
バッテリーは両機ともLP-E19なので、EOS R3から移行する場合も予備バッテリーを共用できます。ただし、EOS R3で使用していたSDカードはEOS R1へ挿せません。
そのため、EOS R1へ移行するときは、CFexpress Type Bを2枚用意する費用も含めて考える必要があります。
EOS R3とEOS R5 Mark IIの違い
EOS R5 Mark IIは最大約4500万画素を備え、撮影後に同じ範囲を切り抜いた場合も、EOS R3より多くの画素を残せます。遠くの野鳥や航空機、競技場の離れた位置にいる選手を撮影する人には比較候補となります。
縦位置グリップを装着しない状態では、EOS R3より本体を小さくまとめられます。ただし、縦位置用の操作部を追加するには、別売のバッテリーグリップが必要です。
有線LANも本体には内蔵されていません。2.5GBASE-Tを使用する場合は、クーリングファンCF-R20EPまたはバッテリーグリップBG-R20EPを装着します。
高画素とボディーサイズを重視するならEOS R5 Mark II、縦位置操作と有線転送を本体だけで行いたい場合はEOS R3を比較しましょう。
EOS R3とSony α9 III(ILCE-9M3)の違い
Sony α9 IIIは、最大約2460万画素のグローバルシャッター方式フルサイズセンサーを搭載しています。全画素を同時に露光して読み出すため、ローリングシャッター方式に由来する被写体の歪みを抑えられます。
連続撮影はAF・AE追従で最高約120コマ/秒です。RAW記録にも対応し、CFexpress Type AとSDを使用できるマルチスロットを2基備えています。
ただし、最高約120コマ/秒に対応するレンズや設定には条件があります。また、縦位置グリップは別売です。
RFレンズ、Eye Control AF、縦位置グリップ一体型の操作系を選ぶならEOS R3、グローバルシャッターと連続撮影速度を重視する場合はSony α9 IIIが候補になります。
EOS R3とNikon Z9の違い
Nikon Z9は4571万画素を備え、RAW記録に対応する高速連続撮影では最高約20コマ/秒を記録します。EOS R3より画素数が多いため、トリミング後にも多くの画素を残したい撮影や、大きなサイズでの印刷を想定する場合に比較したい機種です。
2基のカードスロットはいずれもCFexpress Type BとXQDに対応しています。バックアップ用と通常記録用を同じ種類のカードでそろえられる点は、CFexpress Type BとSDを組み合わせるEOS R3との違いです。
現行ファームウェアC:Ver.5.32では、JPEG記録のハイスピードフレームキャプチャー+でC15、C30、C60、C120を選択できます。C15とC30の撮像範囲はFXまたはDXで、画像サイズはLです。C60はDX固定、C120はFX固定となり、どちらも画像サイズはSに固定されます。
ハイスピードフレームキャプチャー+は、約20コマ/秒のRAW対応高速連続撮影とは、記録形式、画像サイズ、撮像範囲が異なります。
Canon EOS R3のレビュー比較まとめ
Canon EOS R3は、電子シャッター最高約30コマ/秒、Eye Control AF、縦位置グリップ一体型ボディー、有線LANを備え、スポーツや報道などの動体撮影と画像送信を重視する人に向く機種です。最大約2410万画素のため、大幅なトリミングを多用する人はEOS R5 Mark IIやNikon Z9も比較対象になります。約1015gのボディーを負担に感じる場合は、縦位置グリップを外せる機種も検討しましょう。2026年7月31日時点では、キヤノンの商品ページで販売終了と案内されていますが、キヤノンオンラインショップでは792,000円(税込)で「在庫限り」の販売が続いています。新品を検討する場合は、EOS R1、EOS R5 Mark II、Sony α9 III、Nikon Z9との画素数、連続撮影、ボディー形状、記録メディアの違いを確認したうえで選びましょう。
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