
中古レンズ価格指数は半年で10.5%上昇、1位は+56.8% 2026年上半期に値上がりした中古レンズTOP10【みんなのカメラ調べ】








みんなのカメラの2026年上半期のフリマ取引から、中古レンズの1〜3月と4〜6月の平均取引価格を比較しました。比較対象として抽出した20本のうち19本が上昇。毎月取引があったレンズを同じ型番で追った価格指数も、1月の100.0から6月の110.5へ上がりました。値上がり率1位はCanon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMの+56.8%です。
この記事のサマリー

比較対象として抽出した20本のうち19本が値上がりした。値上がり率1位はCanon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMの+56.8%

毎月取引があったレンズを同じ型番で追った価格指数は、1月の100.0から6月の110.5へ上昇した。同期間のカメラ本体は103.1で、レンズの上昇幅が7.4ポイント大きい

TOP10は1〜5位がすべて一眼レフ用、6〜10位がすべてミラーレス用となった。ただし、この分かれ方は上位10本に限った傾向

上昇率1位のEF-S55-250mmの増加額は6,601円。一方、増加額1位のSIGMA 150-600mmは37,753円で、上昇率と金額では順位が異なる

値下がりしたのはNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの1本で、変化率は-7.7%。後継II型は2026年4月24日に発売された
はじめに|カメラ本体に続いて、レンズでも同じことが起きているか

先に公開した「2026年上半期に値上がりした中古カメラTOP10」では、毎月取引があった製品を同じ型番で追った価格指数が、1月の100.0から6月の103.1へ上昇しました。今回、同じ期間の中古レンズを調べると、価格指数は6月に110.5となり、カメラ本体より大きく上昇しています。
本記事では、市場の月ごとの動きを示す価格指数と、1〜3月・4〜6月の平均取引価格を比べた製品別ランキングを分けて整理します。どのレンズが上がったのかだけでなく、上昇率と実際の増加額の違い、発売年や価格帯による傾向も確認します。
本データについて
- データソース:みんなのカメラのフリマ取引データ
- データ期間:2026年1月1日〜2026年6月30日(6ヶ月間)
- 対象カテゴリ:交換レンズ(ズームレンズ・単焦点レンズ)。カメラ本体は含みません
- 対象状態:動作確認済み中古のみ。新品は含みません
- 変化率:1〜3月の平均取引価格に対する、4〜6月の平均取引価格の変化率
- 比較対象:1〜3月と4〜6月の双方で一定数の取引があり、取引件数と価格のばらつきを踏まえて価格差が一定水準以上だった20製品
- 価格指数:1〜6月のすべての月で取引が成立したレンズだけを対象とし(毎月同じ型番で比較するため)、各製品の1月平均を100として指数化。製品間は単純平均
- 引用について:「みんなのカメラ調べ」と出典明記の上で引用可能
なお、本データはみんなのカメラ上のフリマ取引に基づくものであり、日本の中古レンズ相場全体を代表するものではありません。また、1〜3月はサービスの立ち上げ期にあたり、4〜6月より取引が少ない製品があります。各期間で取引された個体の状態、付属品、出品者が設定した価格帯などの構成差が平均取引価格に影響している可能性があります。みんなのカメラにおける取引傾向としてご覧ください。
【注目ポイント】価格の動きから見えた3つの傾向

注目1|レンズの上昇幅は、カメラ本体を上回った
月ごとの平均取引価格をそのまま並べると、その月にどのレンズが売れたかで数字が動いてしまいます。高いレンズがたまたま多く売れた月は平均が上がりますが、それは値上がりではありません。そこで、1月から6月まで毎月取引が成立したレンズだけに絞り、同じ型番のまま価格の変化を追いました。各製品の1月の平均取引価格を100としています。
月 | 2026年1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
|---|---|---|---|---|---|---|
価格指数(レンズ) | 100.0 | 98.2 | 104.1 | 107.3 | 109.3 | 110.5 |
価格指数(カメラ本体) | 100.0 | 99.0 | 101.2 | 102.6 | 101.8 | 103.1 |
2月に一度下げてから上昇に転じる形は本体と同じですが、その後の伸び方が違います。半年で本体が3.1%の上昇にとどまったのに対し、レンズは10.5%上がりました。差は7.4ポイントです。
個別に見ても差が出ています。今回の比較対象20本のうち、値上がりが19本、値下がりが1本でした。変化率の中央値も、本体の+2.9%に対しレンズは+6.3%です。なおこの20本は、両期間で一定数の取引があり価格差が一定水準以上だった製品に限っており、みんなのカメラで取引された中古レンズ全体ではありません。
注目2|TOP10は一眼レフ用とミラーレス用に、上下できれいに分かれた
値上がり率で並べると、1位から5位までがすべて一眼レフ用のレンズでした。6位から10位はすべてミラーレス用です。
順位帯 | マウント | 本数 |
|---|---|---|
1〜5位 | EF-S・EF・F(一眼レフ用) | 5本 |
6〜10位 | EF-M・E・RF(ミラーレス用) | 5本 |
一眼レフ用が5本、ミラーレス用が5本と本数は同じですが、値上がり幅の大きい側に旧マウントが集まりました。1〜5位の変化率は+13.6%から+56.8%、6〜10位は+8.9%から+10.7%で、帯として重なっていません。ただしこれは上位10本に限った並びで、比較対象20本の全体やレンズ市場全体の傾向を示すものではありません。
新品での入手のしやすさは、製品ごとに異なります。TOP10のうち、キヤノンが販売終了としているのは1位のEF-S55-250mm F4-5.6 IS STM、4位のEF 100mm F2.8L マクロ IS USM、6位のEF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STMの3本です。2位のSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryはシグマが生産完了としています。一方で3位のCanon EF 50mm F1.8 STMは、キヤノン公式通販に通常価格18,232円・納期約2か月で掲載されており、現在も新品で購入できます。
新品での供給が終わった製品は、それを使いたい人にとって中古が入手経路になります。買う側の入口が中古に絞られると価格が下支えされやすく、その差が値上がり幅に出た可能性があります。ただし上のとおり状況は製品ごとに分かれており、マウント単位で一括りにできるものではありません。
注目3|比較対象20本では、2016年以前と3万円未満の上昇率が高かった
発売年で区切ると、2016年以前の区分が突出しました。
発売年 | 平均変化率 |
|---|---|
2016年以前 | +19.5% |
2017〜2020年 | +4.3% |
2021年以降 | +4.9% |
比較対象20本を発売年別に見ると、2016年以前のレンズは平均+19.5%となり、ほかの2区分を上回りました。一方、2017〜2020年は+4.3%、2021年以降は+4.9%で、ほぼ同水準です。今回の区分では2016年以前のグループだけが大きく上昇しましたが、2016年を価格変化の転換点と断定できる結果ではありません。
価格帯別では、1〜3月の平均取引価格が3万円未満だったレンズが平均+32.4%となりました。
価格帯(1〜3月の平均取引価格) | 平均変化率 |
|---|---|
3万円未満 | +32.4% |
3万円以上10万円未満 | +8.6% |
10万円以上20万円未満 | +9.7% |
20万円以上 | +3.5% |
一方、3万〜10万円は+8.6%、10万〜20万円は+9.7%で、価格が高くなるほど一方向に上昇率が下がったわけではありません。低価格帯では数千円の変化でも比率が大きくなるため、変化率と増加額を分けて確認する必要があります。
TOP10を増加額で並べ替えると、順位は入れ替わります。
上昇率で1位 | 増加額で1位 | |
|---|---|---|
製品 | Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM | SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary |
上昇率 | +56.8% | +35.1% |
増加額 | 6,601円 | 37,753円 |
上昇率1位のEF-S55-250mmは+56.8%ですが、金額では6,601円の差です。増加額で最も大きいのは2位のSIGMA 150-600mmで37,753円。率で見るか金額で見るかによって、上位の顔ぶれは変わります。
値上がりした中古レンズ TOP10【2026年上半期】

【1位】Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM +56.8%
APS-Cの一眼レフ向けに用意された、手頃な望遠ズームです。TOP10で最も低い価格帯にあり、変化率が大きく出やすい条件でもあります。キヤノンは本レンズを販売終了としています。
【2位】SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary キヤノン用 +35.1%
600mmまで届く超望遠ズームです。増加額は37,753円でTOP10の最大となり、上昇率でも2位に入りました。率と金額の両方で上位につけた唯一のレンズです。シグマは本レンズを生産完了としています。
【3位】Canon EF 50mm F1.8 STM +29.7%
一眼レフに最初に足す一本として定番の標準単焦点です。TOP10で唯一、1〜3月の平均が1万円を下回っていたレンズで、上半期を通じて取引が続いています。上位のなかでは数少ない、現在も新品で購入できるレンズです。
【4位】Canon EF 100mm F2.8L マクロ IS USM +13.8%
等倍まで寄れる中望遠マクロで、TOP10では最も古い2009年発売です。上半期の単焦点レンズランキングでも2位に入っており、取引の多さと価格の上昇が同時に起きています。キヤノンは本レンズを販売終了としています。
【5位】Nikon AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR +13.6%
Fマウントの常用標準ズームです。TOP10で唯一のNikon Fマウントで、一眼レフ用が並ぶ1〜5位の最後を占めています。
【6位】Canon EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM シルバー +10.7%
EOS Mシリーズ向けの望遠ズームです。キヤノンは本レンズを販売終了としており、EF-Mマウント自体も新製品の供給が止まっています。ミラーレス用でありながら、供給の面では一眼レフ用に近い立ち位置にあります。
【7位】SONY FE 20-70mm F4 G SEL2070G +10.1%
20mmから始まる標準ズームで、TOP10では最も新しい部類にあたります。上半期のズームレンズランキングでも8位に入っており、取引が多い一本です。
【8位】Canon RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM +10.0%
TOP10で最も高価なレンズです。RFマウントの超望遠ズームとして、価格帯の高さにかかわらず値上がり側に入りました。
【9位】SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM +9.4%
Eマウントの望遠ズーム上位モデルです。8位のRF 100-500mmと合わせ、20万円を超える超望遠ズーム2本がTOP10に入っています。
【10位】SONY FE 70-200mm F4 Macro G OSS II SEL70200G2 +8.9%
70-200mmの望遠ズームに、近接撮影の性能を持たせたモデルです。TOP10のSONY機3本はいずれもEマウントで、7位・9位と合わせて上位10本の3割を占めます。
値上がりした中古レンズ TOP10 一覧【2026年上半期】
順位 | 製品名 | ブランド | マウント | 発売年 | 1〜3月平均 | 4〜6月平均 | 変化率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM | Canon | EF-S | 2013年 | 11,614円 | 18,215円 | +56.8% |
2 | 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary キヤノン用 | SIGMA | EF | 2015年 | 107,528円 | 145,281円 | +35.1% |
3 | EF 50mm F1.8 STM | Canon | EF | 2015年 | 8,544円 | 11,078円 | +29.7% |
4 | EF 100mm F2.8L マクロ IS USM | Canon | EF | 2009年 | 65,154円 | 74,138円 | +13.8% |
5 | AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR | Nikon | F | 2010年 | 40,472円 | 45,992円 | +13.6% |
6 | EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM シルバー | Canon | EF-M | 2015年 | 20,911円 | 23,147円 | +10.7% |
7 | FE 20-70mm F4 G SEL2070G | SONY | E | 2023年 | 114,635円 | 126,204円 | +10.1% |
8 | RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM | Canon | RF | 2020年 | 310,928円 | 342,034円 | +10.0% |
9 | FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM | SONY | E | 2017年 | 226,032円 | 247,375円 | +9.4% |
10 | FE 70-200mm F4 Macro G OSS II SEL70200G2 | SONY | E | 2023年 | 177,643円 | 193,533円 | +8.9% |
TOP10の変化率は+8.9%から+56.8%まで、中央値は+12.2%でした。ブランドはCanon5本・SONY3本・SIGMA1本・Nikon1本、タイプはズーム8本・単焦点2本です。
値下がりしたのは1本だけだった
価格の下落が確認できたのは、次の1本のみでした。
製品名 | ブランド | 発売年 | 1〜3月平均 | 4〜6月平均 | 変化率 |
|---|---|---|---|---|---|
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S | Nikon | 2020年 | 237,751円 | 219,440円 | -7.7% |
このレンズは、2026年4月24日に発売された後継のNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIの先代にあたります。後継機の登場と価格の下落が同じ時期に重なった形です。カメラ本体では下落が4製品ありましたが、レンズでは値下がりがこの1本に限られました。
今回のデータの背景と、下半期に向けた注目点
下半期に向けて確かめたい点は3つあります。
1つは、一眼レフ用の上昇が続くかどうかです。上半期は1〜5位を一眼レフ用が占めましたが、この構図が継続するのか、それとも一巡して落ち着くのかは、年間の集計であらためて確認します。
2つめは、価格帯による差の再現性です。3万円未満の区分が+32.4%と大きく動いた一方、3万〜10万円と10万〜20万円はほぼ同水準でした。低価格帯は数千円の変化でも比率が大きく出るため、下半期に同じ順序が出るかを見ます。
3つめは、レンズと本体の差が開き続けるかです。上半期は価格指数でレンズが本体を上回りましたが、これが半年限りの動きなのかは、次の半年を待つ必要があります。
本記事の主なデータポイント(引用用)

記事・メディア掲載時には、「みんなのカメラ調べ」と明記の上で引用いただけます。
注目ポイント | データ |
|---|---|
値上がり率1位 | Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM(11,614円→18,215円・+56.8%) |
上昇と下落の比率 | 価格の変化がはっきり確認できた20本のうち、値上がり19本・値下がり1本 |
価格指数の推移 | レンズは1月100.0→6月110.5(+10.5%)。同期間のカメラ本体は103.1(+3.1%) |
変化率の中央値 | レンズ+6.3%/カメラ本体+2.9% |
マウントの分かれ方 | TOP10は1〜5位がすべて一眼レフ用(EF-S・EF・F)、6〜10位がすべてミラーレス用(EF-M・E・RF) |
発売年別の平均変化率 | 2016年以前+19.5%/2017〜2020年+4.3%/2021年以降+4.9% |
価格帯別の平均変化率 | 3万円未満+32.4%/3〜10万円+8.6%/10〜20万円+9.7%/20万円以上+3.5% |
値下がりしたレンズ | NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S(-7.7%)の1本のみ。2026年4月に後継II型が登場 |
編集部コメント:レンズの中古価格は、本体より遅れて動く
上半期のランキングでは、販売終了品や生産完了品が高い上昇率を示す一方、RF・Eマウントの比較的新しいレンズもTOP10に入りました。また、3万円未満のレンズでは上昇率が大きく、20万円を超えるレンズでは増加額が大きいという違いもあります。今回の結果は、「古いレンズだから」「新品供給が終わったから」といった一つの理由だけでは説明できません。
出品をする側は、古いレンズという理由だけで価値が低いと判断せず、製品ごとの直近の取引価格と個体状態を確認することが重要です。買う側も平均取引価格だけを見るのではなく、新品価格との差や、外観・光学状態・付属品を含めて比較する必要があります。
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