
発売15年超の中古レンズTOP10、69.7%が“たった2つの用途”に集中【みんなのカメラ調べ】








みんなのカメラで約7ヶ月間に取引された中古交換レンズのうち、発売から15年以上が経った製品に絞ってランキングを集計しました。1位は2010年発売のズーム、最古は2005年発売で現在も3位。価格でも年式でも説明できない共通点が、古くても売れ続けるレンズにはありました。
この記事のサマリー

レンズTOP10は2005〜2010年発売。前回のボディ編より古い世代まで上位に残った

2005〜2007年発売の3本がすべてTOP5(取引構成比34.9%)・TOP10の8本がズーム(取引構成比78.0%)

24mm始まりの標準ズームと70-200mmの計6本で取引構成比69.7%

平均取引価格は¥11,587〜¥159,493(約13.8倍差)。安さだけでは順位を説明できない

上位5製品への集中はボディ編84.8%に対し、レンズ編は74.3%とやや分散
レンズはボディより古くても残る。理由は「使い道」が古びにくいから

みんなのカメラでは先に、発売から15年以上が経った中古カメラボディのランキングを公開しました。今回はそのレンズ特化版です。
結果を一言でいえば、レンズはボディよりさらに古い世代まで上位に残りました。ボディTOP10が2008〜2011年発売だったのに対し、レンズTOP10は2005〜2010年発売。発売から15〜20年が経っても取引が続くレンズに、何か共通点はあるのか、順位とともに見ていきます。
ランキング発表:発売15年以上の現役中古レンズTOP10【みんなのカメラ調べ】

1位:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | ニコン |
平均取引価格 | ¥44,991 |
発売日 | 2010年9月22日 |
カテゴリ | ズームレンズ |
最安ではないのに首位。24-120mmをF4通しで扱え、VRも備える。「明日どこで何を撮るか決め切れない日」でも、これ一本を放り込めば旅行・人物・日常記録までつながる。迷ったときに選べる万能標準ズームの強さがそのまま順位に出た。
2位:EF 100mm F2.8L マクロ IS USM
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | キヤノン |
平均取引価格 | ¥70,220 |
発売日 | 2009年10月2日 |
カテゴリ | 単焦点レンズ |
ズームが並ぶ中、唯一上位に食い込んだマクロ単焦点。花びら一枚の質感まで写し取れ、そのままポートレートにも回せる。接写は標準ズームでは代えがきかない仕事で、その専門性が価格を超えて選ばれている。
3位:EF 24-105mm F4L IS USM
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | キヤノン |
平均取引価格 | ¥42,659 |
発売日 | 2005年9月28日 |
カテゴリ | ズームレンズ |
2005年発売でTOP10最古、それでも3位。24-105mm・F4通し・ISという構成は、約20年を経ても「旅行と日常を一本で」という常用ズームの役割が変わらない。古いから末尾に残ったのではなく、今も主力として選ばれた——このランキングを象徴する一本。
4位:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | ニコン |
平均取引価格 | ¥70,049 |
発売日 | 2007年11月30日 |
カテゴリ | ズームレンズ |
手ブレ補正を持たない世代ながら4位。24-70mm F2.8という「標準域 × 明るさ」は、付加機能ではなく撮影の土台そのもの。ボディ内手ブレ補正を備えたZ機と組ませれば、世代の弱点も補いながら使える。
5位:EF 70-200mm F4L IS USM
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | キヤノン |
平均取引価格 | ¥61,166 |
発売日 | 2006年11月30日 |
カテゴリ | ズームレンズ |
70-200mm勢の最上位が、F2.8ではなくF4だった。F2.8とは約500gの差があり、その軽さと取り回しを取った「持ち歩ける望遠」。最高スペックではなく、用途・価格・重さの釣り合いで選ばれた一本といえる。
6位:EF 70-200mm F2.8L IS II USM
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | キヤノン |
平均取引価格 | ¥159,493 |
発売日 | 2010年3月19日 |
カテゴリ | ズームレンズ |
TOP10最高の平均取引価格で、それでも6位。「古いレンズは安いから売れる」という見方を真っ向から覆した。人物・スポーツ・舞台で大口径望遠が必要な限り、発売15年超でも高値の需要は残る。
7位:AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | ニコン |
平均取引価格 | ¥11,587 |
発売日 | 2009年3月6日 |
カテゴリ | 単焦点レンズ |
TOP10最安。ただし順位は7位で、「安さだけでは上位に来ない」ことも同時に示している。APS-C機では人の目に近い画角(35mm判換算約52.5mm)になり、開放のボケを1万円台で味わえる。多くの人にとっての「初めての明るい単焦点」という入口の役割で長く流通している。
8位:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | ニコン |
平均取引価格 | ¥111,980 |
発売日 | 2009年11月27日 |
カテゴリ | ズームレンズ |
10万円を超えてTOP10入り。キヤノンの2本と合わせて70-200mmが3本並んだことで、特定の銘玉ではなく「この焦点域そのもの」に継続需要があると分かる。ニコン環境で大口径望遠を担い続ける定番。
9位:AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | ニコン |
平均取引価格 | ¥47,594 |
発売日 | 2010年9月2日 |
カテゴリ | ズームレンズ |
28-300mmという広い守備範囲を一本で。明るさで突き抜けるのではなく、「レンズを替えずに撮り逃さない」利便性で選ばれる。旅行や屋外撮影で、荷物とシャッターチャンスの両方を軽くしてくれる。
10位:LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S.
項目 | 内容 |
|---|---|
ブランド | パナソニック |
平均取引価格 | ¥14,180 |
発売日 | 2008年10月31日 |
カテゴリ | ズームレンズ |
唯一のパナソニック(マイクロフォーサーズ)。1万円台で望遠域と手ブレ補正を足せる。上位の大口径ズームとは別の、「必要な画角だけを手頃に補う」という買い方にも、古いレンズの居場所があると示す。
発売15年以上の現役中古レンズTOP10
順位 | 製品名 | カテゴリ | ブランド | 平均取引価格 | 発売日 |
|---|---|---|---|---|---|
1 | AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR | ズームレンズ | ニコン | ¥44,991 | 2010年9月22日 |
2 | EF 100mm F2.8L マクロ IS USM | 単焦点レンズ | キヤノン | ¥70,220 | 2009年10月2日 |
3 | EF 24-105mm F4L IS USM | ズームレンズ | キヤノン | ¥42,659 | 2005年9月28日 |
4 | AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED | ズームレンズ | ニコン | ¥70,049 | 2007年11月30日 |
5 | EF 70-200mm F4L IS USM | ズームレンズ | キヤノン | ¥61,166 | 2006年11月30日 |
6 | EF 70-200mm F2.8L IS II USM | ズームレンズ | キヤノン | ¥159,493 | 2010年3月19日 |
7 | AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G | 単焦点レンズ | ニコン | ¥11,587 | 2009年3月6日 |
8 | AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II | ズームレンズ | ニコン | ¥111,980 | 2009年11月27日 |
9 | AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR | ズームレンズ | ニコン | ¥47,594 | 2010年9月2日 |
10 | LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S. | ズームレンズ | パナソニック | ¥14,180 | 2008年10月31日 |
データで読む3つの傾向

1. 2005〜2007年発売の3本がすべてTOP5
今回のレンズTOP10は、2005〜2010年発売の製品で構成されました。最古は3位のEF 24-105mm F4L IS USMで2005年発売。5位のEF 70-200mm F4L IS USMは2006年、4位のAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは2007年発売です。
つまり、TOP10内で最も古い3本が、いずれもTOP5に入っています。3本を合わせた取引構成比は34.9%。古い製品がランキング下位にわずかに残ったのではなく、約19〜20年前のレンズが現在も上位の取引を担っていました。
前回のボディTOP10では、最古が2008年発売でした。対してレンズでは、さらに3年古い2005年発売の製品が3位です。少なくとも今回のランキングでは、レンズの方がボディより、15年の境界を越えた製品が上位まで残りやすい傾向が見えます。
また、上位5製品の取引構成比は74.3%で、ボディ編の84.8%より10.5ポイント低い結果でした。レンズ編も上位への集中はありますが、ボディ編ほど少数の製品だけに集約されず、6位以下にも取引が広がっています。
レンズは同じシステムのなかでも、標準、望遠、マクロ、明るい単焦点、高倍率ズームなど、それぞれ別の役割を担います。そのため、ひとつの人気製品に需要が集まり切らず、用途ごとに複数の旧製品が選択肢として残りやすいと考えられます。
2. ズーム8本、そのうち6本が「24mm始まり」か「70-200mm」に
TOP10のうち8本がズームレンズで、TOP10内の取引構成比でも78.0%を占めました。古いレンズに求められているのは、独特な写りや希少性だけではありません。一本で画角を変え、複数の撮影場面へ対応できる実用性が、強く表れています。さらにズーム8本の内訳を見ると、1位・3位・4位は24mm始まりの標準ズーム、5位・6位・8位は70-200mmの望遠ズームです。この2系統だけで6本を占め、取引構成比は69.7%に達しました。
24mm始まりの標準ズームは、広角から標準・中望遠までをカバーし、旅行、人物、日常記録などを一本で撮りやすいレンズです。一方、70-200mmは、人物、スポーツ、舞台、行事など、離れた被写体を撮る用途で定番となる焦点域です。つまり今回の取引の約7割が、「日常や旅行を広く担う標準ズーム」と「離れた被写体を担う70-200mm」という、役割の異なる2本柱に集まっています。
この6本はすべて、F2.8またはF4の通しズームです。発売年やブランド、明るさは異なりますが、ズームしても開放F値が変わらず、撮影時の露出や手順を組み立てやすいという共通点があります。
さらにTOP10全体では、IS、VR、O.I.S.などの手ブレ補正を備えたレンズが8本で、取引構成比は82.6%でした。今回上位に残ったのは、“古いレンズらしい味”だけを楽しむ製品というより、撮影時の負担や失敗を減らす機能を備えた実用型のレンズです。
ここで重要なのは、特定の一本だけが名レンズとして残っているわけではないことです。キヤノンとニコンの両ブランドから、同じ焦点域の複数モデルがランクインしました。製品が世代交代しても、「標準域を一本で撮る」「望遠域を安定して撮る」という使い道はなくなりません。
※注意:TOP10のキヤノンEFマウント/ニコンFマウントレンズをEOS R/Nikon Zシリーズで使用する場合は、対応するマウントアダプターが必要です。購入前に、手持ちボディへの装着可否と、AF・絞り・手ブレ補正などの対応状況を確認してください。
3. 平均価格は約13.8倍差。取引順位は価格の単純な昇順ではない
平均取引価格は¥11,587〜¥159,493で、約13.8倍の幅があります。それでも、安い順に上位になっているわけではないです。最安の35mm F1.8は7位、最高の70-200mm F2.8 IIは6位、首位の24-120mm f/4(¥44,991)は価格帯の中間に位置する。
順位と価格の組み合わせからは、古いレンズが残る3つの道が見えます。
- ①一本で多くの場面を担う「用途の広さ」(24-120mm・24-105mm)
- ②接写や大口径望遠のように代えがきかない「代替しにくさ」(100mmマクロ・70-200mm F2.8)
- ③少ない予算で新しい撮影領域を足せる「導入のしやすさ」(35mm F1.8・45-200mm)
価格帯はバラバラでも、「その価格で何ができるか」が明確なレンズが選択肢に残っています。
なぜレンズはボディより古くても残るのか

1. ボディは「機能」が更新され、レンズは「役割」が引き継がれる
カメラボディは、センサー・AF・動画・通信など中心機能が世代ごとに更新され、年代が購入判断に効きやすいです。一方レンズの価値は焦点距離・開放F値・撮影倍率—つまり「役割」で決まり、時間が経っても古びにくい傾向にあります。新しいレンズが出ても、旧製品が同じ画角を十分に担えるなら、中古は価格を含めた別の選択肢になります。
2. レンズは「焦点域の空席」を埋めるために買われる
ボディを買い替えても手持ちのレンズは使い続け、レンズを足してもボディは替えない。この買い方があるから、古いレンズは何年も現役でいられる。今回ニコンが5本、キヤノンが4本を占め、両ブランドで取引構成比96.3%に達した。長く使われてきたシステムほど、買い足し・買い直し・予備の確保といった需要が古いレンズにも生まれ続けることの表れです。
なお、発売から長期間が経った中古レンズは、光学系・AF・手ブレ補正・絞り・マウント部・外装などの状態に個体差があります。ランキング入りは製品としての需要を示すものであり、すべての個体が同じ状態・価値を持つことを意味するものではありません。
編集部コメント:レンズの寿命を決めるのは「役割の年齢」
前回のボディ編で見えたのは、少数の定番機に取引が集まる「定番の再稼働」でした。今回のレンズ編で見えたのは、さらに古い世代まで、焦点域や用途ごとに取引が広がる「役割の継承」です。
とりわけ印象的なのは、2005〜2007年発売の3本がすべてTOP5に入ったこと。最古のレンズが末尾に残ったのではなく、現在の取引でも主力を担っていました。広く使えること、ほかで代替しにくいこと、少ない予算で役割を足せること—理由は違っても、いずれも「買った後に何を撮るか」を想像しやすいレンズが並びました。
レガシーレンズは、古いから価値があるのでも、安いから売れるのでもない。発売当時に与えられた役割を、今の撮影でも続けられるから選ばれています。機材の寿命はカレンダーだけでは決まらない。問うべきは「何年前の製品か」ではなく、「今も何を任せられるか」なのかもしれないです。
本記事の主なデータポイント

記事やメディア掲載時には、「みんなのカメラ調べ」と出典を明記のうえ、自由にご利用・掲載いただけます。前回のボディ編との比較値は、集計終了日の3日間の差を含む参考値です。
注目ポイント | データ |
|---|---|
データ期間・対象 | 2025年11月6日〜2026年6月13日/発売15年以上の中古交換レンズ |
発売年の範囲 | 2005〜2010年/最古は3位のEF 24-105mm F4L IS USM |
古い3製品の位置 | 2005〜2007年発売の3本がすべてTOP5/取引構成比34.9% |
ボディ編との比較 | 最古発売年はレンズ2005年、ボディ2008年 |
上位5製品への集中 | レンズ74.3%/ボディ84.8%より10.5ポイント低い |
ズームレンズ | 10本中8本/取引構成比78.0% |
24mm始まり+70-200mm | 10本中6本/取引構成比69.7% |
平均取引価格の範囲 | ¥11,587〜¥159,493/約13.8倍差 |
本データについて
- データソース:みんなのカメラのフリマ取引データ
- データ期間:2025年11月6日〜2026年6月13日(約7ヶ月)
- 対象カテゴリ:交換レンズ全機種
- 対象状態:中古状態の取引
- 対象条件:発売日が2011年6月16日以前の製品(発売から15年以上経過)
- 平均取引価格:対象期間内における製品ごとの平均価格
- 取引構成比:今回のTOP10内における取引構成比
- 引用について:「みんなのカメラ調べ」と出典を明記のうえ、自由に掲載可能
なお、本データは「みんなのカメラ」上のフリマ取引に基づくものであり、日本国内外の中古レンズ市場全体、または中古・フリマ市場全体を代表するものではありません。
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